2011 Fiscal Year Annual Research Report
ネオ・ロバスト制御理論とその設計ツールの構築-超高性能ロバスト制御を目指して-
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22560438
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
劉 康志 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70240413)
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Keywords | ロバスト制御 / 不確かさのゲイン / 不確かさの位相 / ロバスト条件 |
Research Abstract |
前年度の研究では、位相情報を取り入れた不確かさのモデル化方法、周波数域におけるロバスト安定解析、周波数域におけるロバスト感度解析を完成した。以上の成果に基づいて、平成23年度の研究では、以下の研究成果が得られた。 1.周波数域におけるロバスト帯域幅解析 システム応答の高速化は、基本的に制御帯域幅を広げることによって達成されるものである。本研究では、不確かさが存在するときの広帯域化の必要十分条件を導いた。 2.逆相不確かさへの対策 実システムを単純に公称プラントと不確かさの和として扱う場合、不確かさが逆相になることがあり、制御性能向上を難しくしている。この問題を回避するために、プラント集合を公称プラントと不確かさの積で表わす、いわゆる因子分解型のプラント集合を考案した。この種のプラント集合に対して、ロバスト性能の必要十分条件を明らかにした。因子分解型のプラント集合表現法は、特にプロセス系に有効である。 3.設計ツールの開発 低次のシステムに対して、制御器の構造を事前に定めた場合、ロバスト制御の条件を周波数応答で確認しながら、制御パラメータを調整することを補助できるソフトウェアを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論展開は予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では、不確かさのゲインと位相情報を取り入れたロバスト制御の条件を解明できたが、得られた条件はすべて周波数域で表現されたものであり、状態空間に変換できるかはまだ不明である。そのため、設計ツールの開発において低次のシステムを扱える簡易ツールは開発できたものの、一般的なシステム対応のツール開発は困難な状況にある。 そこで、今後まず不確かさの位相情報だけを使うロバスト制御の設計法を状態空間で研究していき、それに対応する設計ツール開発も同時に進める予定である。
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Research Products
(6 results)