2012 Fiscal Year Annual Research Report
分布定数系に対するデータ駆動型集中定数正準制御器の設計とその性能解析
Project/Area Number |
22560442
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
金子 修 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (00314394)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | データ駆動型制御 / 正準制御器 / FRIT / むだ時間 / 非最小位相 / 熱伝導系 / 二自由度制御 |
Research Abstract |
本年は,データ駆動型集中定数正準制御器について,研究代表者が提案し開発をすすめきたFRITという制御器チューニング法について,その理論解析と拡張に取りくんだ.まず,正準制御器がFRITと関連付けられていることは研究代表者の2008年の成果(IFAC World Congress, pp.12279-12284)でも述べられているが,それをさらに追及し,1入出力線形時不変システムの場合は正準制御器がFRITで目的としている制御器を含むことを明らかにした.これは,FRITと正準制御器を結び付ける重要な成果である. また,状態フィードバックゲインのデータ駆動型更新,振動的未知外乱を除去するためのFRIT,不安定系に対するFRIT,についても有用な成果を得た.これらはデータ駆動型集中定数正準制御器設計の基礎として重要である. さらに,昨年同様にむだ時間系や集中定数非最小位相系を対象として,所望の性能を得るためのFRITに関するいくつかの成果を得た.むだ時間系は分布定数系の一種ともみなされ,非最小位相特性の特徴である逆応答は分布定数系の制御でよく現れる現象でもあることから,得られた成果は分布定数系にFRITを適用する際の基礎的知見として有用である. そして,一次元熱伝導系に対し集中定数制御器を実装しFRITを適用することで,所望の性能を得ることを評価関数の解析およびシミュレーションにより確認した.上述のように,FRITの目的は正準制御器の構築でもあるので,この成果は分布定数系に対するデータ駆動型正準制御器設計の基礎的結果として重要である. 以上,本課題に関する重要な基礎的事項のいくつかの成果を得たといえる.また多入出力系,他のクラスの分布定数系,より包括的な理論解析など,取り組むべき課題も明確にでき,今後の更なる研究の進展につなげていく.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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