2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形制御のための新しいシステムモデル:ホロノミーの原理に基づく級数展開
Project/Area Number |
22560445
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石川 将人 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (20323826)
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Keywords | 非線形制御 / ホロノミーの原理 / 可制御性 / 級数展開 / 周波数応答 |
Research Abstract |
1. ホロノミーの原理に基づくシステム応答モデルの定式化と基礎検討 初年度となる本年度では,周期入力下におけるシステムの非線形な振る舞いを記述するホロノミーの原理に基づく基礎検討を行った.特に,その入出力応答を一種のマスタスレーブシステムととらえて定式化し,マスタスレーブシステムの解析でよく用いられる指標である可操作性を一般化する形で基礎付けを行った.従来の可操作性は瞬間的な入出力の関係を捉える概念であるのに対し,本研究ではある程度の時間幅を考慮して周期入力の効果を扱えるようにした点が特徴である 2. 非線形な動特性を有する入出力実験装置の開発 非線形な動特性を検証するプラットフォームとして,下記のような移動ロボット実験装置を開発し,その基礎特性の検討を行った (A) 三叉ヘビ型移動ロボット:3関節と3車輪を有し,特徴的な可制御性構造を持つ非ホロノミック移動ロボットである.特性測定のための無線通信と画像位置計測システムを整えるとともに,動的フィードバックによる基本的な制御の実現を行った (B) 三脚歩行ロボット:搭載したマスドライバーによる揺動と,床面との摩擦力・反力の相互作用によって移動する装置である.特性測定のための慣性センサ系を整えるとともに,周期角度指令による基本的な前進歩行の実現を行った.その際に用いた周期入力は,この装置の挙動を滑らかな球面の揺動現象に近似したうえでホロノミーの原理より求めたものである.本実験の成功により,構造近似によるアプローチの有効性と,級数展開による近似精度の向上の可能性が示唆された
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