2010 Fiscal Year Annual Research Report
実構造物の電気化学的物性値と三次元数値解析の連携による電気防食の設計体系の構築
Project/Area Number |
22560459
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
皆川 浩 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10431537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久田 真 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80238295)
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Keywords | 維持管理 / コンクリート / 電気防食 / 電気抵抗率 / 分極抵抗 |
Research Abstract |
近年,我が国では社会基盤の延命化および適切な維持管理が重要課題になっており,電気化学的防食工法はコンクリート構造物の延命化に有効な補修技術として注目されている.しかし,その設計方法は過去の経験や研究の積み重ねにより得られた定性的な知見および経験則に基づいて行われている.本研究は,(1)実構造物の電気化学的物性値の非破壊・微破壊試験の構築,(2)実構造物から得られる電気化学的物性値とコンクリート中の防食電流を計算できる三次元数値解析手法の連携による防食効果の定量化手法の体系化を通じ,より合理的かつ実践的な電気防食工法の設計体系の構築を研究目的としている.本年度は,電気化学的防食工法の防食効果の定量化に極めて強い影響を及ぼす鋼材のカソード分極抵抗の測定方法について検討を行った.その結果,分極抵抗の測定結果は測定時の外環境に影響を受け,特に温度および湿度による影響が大きいことが明らかとなった.そこで,カソード分極抵抗の測定方法に関する詳細検討に着手する前に,温度および湿度がカソード分極抵抗に及ぼす影響を実験的に評価した結果,電気防食工法の設計に際して考慮すべき有用な知見が下記の通り得られた. 1)コンクリート中鉄筋の腐食度が大きくなるに従い,鉄筋のカソード分極抵抗は小さくなる. 2)見かけのカソード分極抵抗は温度の上昇とともに減少する.特に10℃以下の環境における見かけのカソード分極抵抗は20℃以上の環境と比較して約2~8倍大きい.また,温度がカソード分極抵抗に及ぼす影響は,アレニウス則を考慮することにより定量的に評価できあることが明らかとなった. 3)コンクリートの乾燥が進行するに従い,鉄筋のカソード分極抵抗は大きくなり,腐食度が大きくなるに従いその影響の度合いは小さくなる.
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Research Products
(3 results)