2010 Fiscal Year Annual Research Report
塩害とASRによる複合劣化を受けるRC構造物への電気防食工法の適用性に関する研究
Project/Area Number |
22560462
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒田 保 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (30263487)
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Keywords | 土木材料 / コンクリート / アルカリシリカ反応 / 塩害 / 電気防食工法 |
Research Abstract |
本年度の研究では,鉄筋コンクリートへの通電がコンクリート中のアルカリ金属イオン分布およびASRによって生ずるコンクリートの膨張(ASR膨張)挙動に与える影響を明らかにするために,鉄筋コンクリート供試体(以下,供試体と略述する)を作製して以下の検討を行った。供試体は100×100×30mmの角柱供試体とし,供試体断面(100×100mm)中央にφ13mmの丸鋼を1本配置した。電気防食の陽極材としてチタンメッシュを供試体の打設面(100×300mm)に設置した。この供試体に対して,所定の電流密度となるように直流電流を供給した。なお,コンクリートの水セメント比を60%とし,アルカリ総量が8kg/m^3となるようにNaClを添加して調整した。また,供試体を保存する環境を,温度40℃,相対湿度100%とした。 1.通電が鉄筋近傍へのアルカリ金属イオン(Na^+,K^+)集積量に与える影響 供試体に供給する電流密度(0~100mA/m^2)と通電期間(今年度は24週まで計測した)を実験要因として選定して,それら要因が鉄筋近傍におけるアルカリ金属イオン集積量に与える影響について検討を行った。その結果,通電期間24週までの結果ではあるが,供試体に供給する電流密度の増大とともに,陰極である鉄筋近傍に集積するアルカリ金属イオン量は増加することが明らかとなった。 2.通電がコンクリートのASR膨張挙動に与える影響 供試体に供給する電流密度(0~100mA/m^2)を実験要因として選定して,通電がコンクリートのASR膨張に与える影響について検討を行った。その結果,通電期間24週までの結果ではあるが,供試体に供給する電流密度の増大とともにASR膨張は大きくなる傾向を示した。しかし,電流密度をある値(本年度の実験では30mA/m^2)以上とすると,電流密度の増大とともにASR膨張は小さくなることが明らかとなった。
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