2011 Fiscal Year Annual Research Report
塩害とASRによる複合劣化を受けるRC構造物への電気防食工法の適用性に関する研究
Project/Area Number |
22560462
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒田 保 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (30263487)
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Keywords | 土木材料 / コンクリート / アルカリシリカ反応 / 塩害 / 電気防食工法 |
Research Abstract |
供試体断面(100×100mm)中央に,φ13mmの黒皮付き鉄筋あるいはステンレス鉄筋を配置した鉄筋コンクリート供試体(100×100×300mmの角柱供試体で,以下,供試体と略述する)に通電を行い,通電が鉄筋近傍へのアルカリ金属イオン集積量および供試体のASRによる膨張(ASR膨張)に与える影響について検討を行った。以下に,得られた結果を示す。 1.通電が鉄筋近傍へのアルカリ金属イオン(Na^+,K^+)集積量に与える影響 水セメント比(W/C=45および60%)および総アルカリ量(R_2O=6および8kg/m^3)が異なる供試体に通電(電流密度0~100mA/m^2)を行い,W/C,R_2Oおよび電流密度の違いが鉄筋近傍におけるアルカリ金属イオン集積量に与える影響について検討を行った。その結果,いずれのW/CおよびR_2Oの供試体についても,通電を行なうことにより鉄筋近傍へアルカリ金属イオンが移動し,供給する電流密度が大きいものほど鉄筋近傍におけるアルカリ金属イオン濃度が高くなる傾向にあることが確認された。 2.通電がコンクリートのASR膨張に与える影響 水セメント比(W/C=45および60%)および総アルカリ量(R_2O=6および8kg/m^3)が異なる供試体に通電(電流密度0~100mA/m^2)を行い,W/C,R_2Oおよび電流密度の違いがコンクリートのASR膨張に与える影響について検討を行った。その結果,いずれのW/CおよびR_2Oの供試体についても,通電を行なうことによりASR膨張が増大する傾向にあることが認められた。また,電流密度に関してASR膨張を最大にするペシマム値が存在する可能性が示された。ただし,これらの現象については,長期的な計測に基づき評価する必要があるため,平成24年度にも継続して膨張率の計測を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ,交付申請書に記載した研究実施計画どおりに実験が進行しており,研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までのところ,研究の実施について大きな問題点はなく,今後も研究計画どおりに研究を推進していく予定である。
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