2012 Fiscal Year Annual Research Report
塩害とASRによる複合劣化を受けるRC構造物への電気防食工法の適用性に関する研究
Project/Area Number |
22560462
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒田 保 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30263487)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 土木材料 / コンクリート / アルカリシリカ反応 / 塩害 / 電気防食工法 |
Research Abstract |
今年度は,電気防食工法適用前に通常の電気防食工法で採用される電流密度よりも大きな電流密度を一定期間供給することにより,電気防食工法によってアルカリシリカ反応による膨張(ASR膨張)が助長されるのを抑制する方法について検討した。電気防食工法適用前に供給する電流密度は,1および2A/m2の2水準とし,これらの供給期間は,1A/m2の場合には8週間,2A/m2の場合には4および8週間とした。これらの大きな電流密度を供給した供試体に対して,その後に30mA/m2の電流密度で通電を継続して行なった場合(電気防食工法の適用)と無通電とした場合において膨張率の経時変化を測定した。また,比較用として大きな電流密度を事前に供給しないで電気防食工法を適用した供試体についても膨張率の経時変化を測定した。本実験の範囲内で得られた結果を以下に示す。 1.電気防食工法適用前に大きな電流密度を供給した供試体について,W/Cが小さな供試体(W/C=45%)と比較して,W/Cが大きな供試体(W/C=60%)の方が通電の影響を受けて膨張の開始時期が早く,膨張率は大きくなった。 2.電気防食工法適用前に供給する大きな電流密度について,いずれの電流密度とした場合においても,事前に大きな電流密度を供給しない供試体と比較してASR膨張を抑制できた。 3.電気防食工法適用前に供給する大きな電流密度とその供給期間の組合せについて,2A/m2の電流密度を8週間供給した場合にASR膨張の抑制効果が高い結果となった。 本実験で採用した方法により ASR膨張が助長されるのを抑制できる可能性のあることが確認され,この結果から,ASRにより劣化したコンクリート構造物への電気防食工法の適用範囲の拡大が期待できる。ただし,ASR膨張は長期にわたって継続するので,さらに長期にわたるASR膨張抑制効果について確認することが重要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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