2011 Fiscal Year Annual Research Report
優先的にメンテナンスすべき鉄筋コンクリート構造物の選定技術の構築
Project/Area Number |
22560467
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮里 心一 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (60302949)
|
Keywords | 鉄筋コンクリート / メンテナンス / プライオリティー / 塩害 / 腐食速度 / 点検 |
Research Abstract |
鉄筋コンクリートは多くの社会基盤に活用されている。しかしながら近年、鋼材腐食を伴う劣化が進行している既設構造物が、急速に増加している。これは、高度経済成長期に建設された鉄筋コンクリートが、塩害・中性化により老朽化を迎えつつあるからである。したがって、市民が安心・安全・快適に社会基盤を利用し続けるためには、性能が不満足な構造物を見つけ出し、合理的な対策を施さなければならない。 以上の背景を踏まえて本研究では、塩分浸透や中性化進行によって鋼材腐食を有するコンクリート構造物に対して、点検・対策の優先順位を決定し、必要に応じて合理的な対策を施す"維持管理システム"を構築する。 そのため平成23年度には、以下の2点について研究した。すなわち、 1.腐食速度が速いと予想される既設構造物の面や部位に対する点検手法の検証 腐食の進行が速いとされる地点・面・部位における既設構造物に対して、平成22年度に開発された技術で腐食速度を調査した。これにより、シミュレーションの精度および腐食速度点検技術の実構造物への適用性を検証した。 2.各種補修を施した後における腐食速度の低減効果の比較 塩分浸透や中性化進行と鉄筋腐食の経時的な進行を踏まえながら、構造物の要求性能(例えば、鉄筋の発錆防止、腐食ひび割れの防止、腐食量の抑制など)を耐用年数まで満足する補修工法を提案した。特に、各種補修工法の対策後の効果と再劣化の進行を定量的に評価することを目的とした実験的検討も実施し、補修工法選定システムの精度向上を図った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおりに研究内容が推進されており、その成果として5件の雑誌論文投稿と、9件の学会発表を実施したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度が最終年度(3年目)となるので、予定どおりに成果のまとめを実施する。
|