2011 Fiscal Year Annual Research Report
鋼とコンクリート境界部に鋼材腐食が生じた合成構造の健全度評価法の開発
Project/Area Number |
22560470
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内藤 英樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50361142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆川 浩 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10431537)
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Keywords | 合成構造 / 非破壊試験 / 鋼材腐食 / 振動試験 |
Research Abstract |
本研究は,鋼コンクリート境界部に生じた鋼材腐食量の推定を目的として,非破壊試験法の開発に取り組む.平成23年度に得られた研究成果を以下に列挙する. 1.鋼コンクリート接合部供試体の電食試験および振動試験 3種類の接合形式に着目して,鋼コンクリート接合部を模した供試体を合計6体作製した.電食試験によってコンクリート内部の鋼材腐食を促進させ,各腐食段階において振動試験を実施した.その結果,鋼材の振動特性については,鋼材腐食に伴う減衰定数の増加傾向が確認できたが,固有振動数の変化は小さいかった.さらに,コンクリート部分の振動特性については,鋼材腐食によるコンクリートのひび割れと鋼コンクリート間の腐食生成物の発生により,固有振動数の低下と減衰定数の増加が確認できた. 2.大型供試体の作製 1.の検討で得られた知見の汎用性を確認するため,特に,供試体の寸法効果に着目して大型供試体を作製した.平成23年度は4体の大型供試体を作製することができた.これらの供試体の電食試験と振動試験の実施は,平成24年度に継続して行われる. 3.実橋から取り出した撤去部材の振動試験 実橋の架け替えに合わせて採取した撤去部材(コンクリートに鋼製柱が埋め込まれる構造形式)の振動試験を行った.鋼製柱周りのコンクリート部分の振動試験では,柱ごとにコンクリート部分の固有振動数が異なり,これらの実測値はコンクリートの物性から得られる理論値よりも小さい固有振動数を示した.このことから,固有振動数の低下に着目して,コンクリート内部の鋼材腐食量が推定できる可能性が示唆された,平成24年度は撤去部材を解体し,コンクリート内部の鋼材腐食状況を調査して,提案技術の妥当性を確認する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画が優れていたため,研究はおおむね順調に進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの供試体よりも大きな鋼コンクリート接合部供試体を作製し,寸法効果の影響を検討する. さらに,実橋から取り出した撤去部材を用いて応用研究を展開し,提案技術の現場試験への試行につなげる.
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Research Products
(13 results)