2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560471
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
原田 隆郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (00241745)
|
Keywords | 橋梁振動 / 歩道橋 / 生体脈波 / 心電図波形 / ワイヤレスセンシング / リアプノフ指数 / R-R間隔 |
Research Abstract |
歩道橋横断時の不快な揺れや橋梁振動を原因とする低周波音などによる様々な苦情や被害が利用者および周辺住民から寄せられている。しかしながら、これらの橋梁振動問題に対して人体が直接受ける影響度の定量化手法は確立していない。本研究は、橋梁振動によって生じる人体への様々な影響を定量評価するために、人間の生体情報(脈波と心電図波形)をセンシングし、橋梁振動による人体への影響度の評価方法を提案するものである。 本年度は、前年度の研究結果を受けて、歩道橋の振動による揺れを実測するとともに、歩道橋利用者の歩行時の振動(歩調)を同時計測することで、両者の振動特性の相違と人間の生体情報(脈波)の関係性を実験的に把握した。そして、歩道橋利用者の歩調と生体情報から求められたリアプノフ指数の変化率を比較した結果、歩道橋利用者が歩道橋の固有振動数から外れる歩調で歩行した場合、歩行前と歩行後でリアプノフ指数の変化は見られないが、歩道橋の固有振動数と同じ歩調で歩行した場合、つまり歩道橋利用者の歩調と歩道橋の固有振動数とが一致するケースでは、歩行前と歩行後でリアプノフ指数の変化率は増加することを把握した。つまり、歩道橋利用者の歩調が歩道橋の固有振動数と合致する場合、歩道橋利用者の生体情報は大きく変化することが確認できた。 以上の実験結果を踏まえ、本年度の研究では、歩道橋利用者の歩調と歩道橋の固有振動数が近い場合は、歩行時に人体が受ける影響を生体脈波によって把握することが可能であることを把握した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の主たる部分である歩道橋の振動計測、歩道橋利用者の歩行時の振動(歩調)計測、歩道橋利用者の生体情報計測のフィールド実験が順調に実施できており、解析による相関関係の分析もほぼ予定どおり実施されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本研究の最終年度となるため、これまでの研究結果を踏まえて研究の取り纏めを行う。研究計画の変更や研究を遂行する上での問題点は特になく、これまでの実験データ等を再整理し、不足がある場合は追加のフィールド実験を行い、全体を取り纏めることとする。
|
Research Products
(1 results)