2011 Fiscal Year Annual Research Report
多様な耐震性能を設定可能な高性能鋼を活用したハイブリッド鋼部材の開発
Project/Area Number |
22560476
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 潔 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60324802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 政秀 大阪市立大学, 工学研究科, 講師 (60315976)
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Keywords | 高性能能鋼 / SBHS / ハイブリッド鋼製橋脚 / 耐震性能 |
Research Abstract |
ハイブリッド鋼部材の耐震性能の把握を行うため,鋼部材の中でも耐震性能上の重要な役割を果たすことが多い鋼製橋脚を主対象として正負交番載荷実験を行った.具体的には,従来の一般的な鋼製橋脚を想定したSM490のみを用いた鋼製橋脚,縦リブに橋梁用高降伏点鋼SBHS,フランジ・ウェブにSM490を用いたハイブリッド鋼製橋脚を用いて正負交番載荷実験を行った.その結果,ハイブリッド鋼製橋脚は,従来の鋼製橋脚と比較して,最大水平荷重の上昇は抑え,変形性能を向上可能な耐震性能を有することが明らかとなった.さらに,実験により断面性能としてのハイブリッド鋼部材の特性の把握も行った. ところで,鋼材の塑性履歴特性の違いがハイブリッド鋼製橋脚の耐震性能に与える影響を解析で精度良く評価するには,ハイブリッド鋼製橋脚で用いる各種鋼材の塑性履歴特性を精度良く表現できる構成式を用いて解析を行う必要がある.そこで,本年度はSBHSの引張試験を行い,その塑性域での塑性履歴特性の把握を行った.そして,引張試験結果をもとに,構成式のパラメータを決定し,その構成則を使って弾塑性有限変位解析を行って上述の正負交番載荷実験結果との比較を行い,本研究で用いる解析手法の妥当性の検証を行った.さらに,妥当性の検証された弾塑性有限変位解析により,ハイブリッド鋼製橋脚を対象として鋼種の組み合わせ,力学パラメータを変更させたパラメトリック解析を行い,ハイブリッド鋼製橋脚の耐震性能に関する基礎的なデータを幅広い観点から収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に記載の検討項目に従って着実に研究を進めており,当初想定した結果が得られると考えられるため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者,分担者で適宜打ち合わせを行う等の情報交換行いながら,効率的に研究を進めて行く予定である.また,昨年度までの実験および解析から得られた研究成果を活用しつつ,解析的な検討について更に幅広い検討を行う等,いくつかの項目についてはより詳細に研究を進め,当初予定の成果を得られるように研究を遂行する.
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