Research Abstract |
世界的にCO_2の削減が急務な課題であり,本年9月には国連気候変動サミットにおいて,わが国は2020年までに1990年比25%の削減という中期目標を新たに表明した.削減策のひとつとして,わが国では,CO_2の地中固定を検討しているが,費用対効果を考えると,地中固定の単独実施ではなく,メタンハイドレートのような資源の増進回収にCO_2を用い,メタンハイドレートと置換することが望まれる.本研究では,置換の前提となる岩盤の健全性に着目し,様々な試験を通してそれを検討すると同時に,CO2とメンタンハイドレートの置換の可能性を探ると同時,より正確に供試体の挙動を探るために,新たな計測システムの構築を目的とした. 3次元的な応力下にて,不連続面の変形と透水性能の変化という連成現象の解明と,既存あるいは新規発生不連続面の変形と透水特性の評価を目的とした装置を用いて,不連続性岩盤の巨視的な変形および透水挙動を把握すると同時に供試体変形に関わる局所的な変形を把握するためデジタルカメラを用いて,任意の段階における供試体の画像の取得し,巨視及び局所的な変形の比較・検証を通して,より詳細な挙動のメカニズムの把握を試みた.具体的には,本試験では,セメントをベースとした人工供試体を用いて,平面ひずみ圧縮同時透水試験を行い,また,得られたデジタル画像より,テンピレートマッチング手法の1つである残差マッチングを用いて変位場を算出し,さらに,ひずみ量の算出を行った.これらの試験結果より,画像解析の有用性を立証し,不連続面の局所的な変形挙動と透水特性の関係を明らかにした.研究代表者の開発した装置および上述した画像解析手法の併用は,炭酸ガスの帯水層貯留の実現を念頭においた岩質材料に対する試験方法として,有用であると考えられる.
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