2011 Fiscal Year Annual Research Report
多地点に設置されたマルチフィジックスセンサによる橋梁の次世代モニタリング技術
Project/Area Number |
22560482
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大賀 水田生 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80116912)
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Keywords | 無線ネットワーク / 構造ヘルスモニタリング / 3次元動態可視化 / MEMS加速度センサ / 振動計測 / 多点計測 / 振動モード同定 |
Research Abstract |
本課題の目的は,MEMSセンサとWi-Fi機器を組み合わせることによって無線センサノードを多数製作し,多地点で得られた情報を元に橋梁の動態計測技術を構築することである.ここでは,多点で計測された高サンプル数のデータを一元処理し,構造物全体の動特性を3次元的に可視化表示する. H23年度は,(1)大量データを処理するプラットフォームの開発,(2)動態表示のための3Dステイタスビューアの開発,(3)大学構内の計測実験の3点を行った. (1)1つの無線センサノードから転送されるデータ(加速度等の時間域データ)は,波形を表現し得るだけのサンプリングレートを有していなければならない.従って,高サンプルの多点データを瞬時に処理・表示するソフトウエア(プラットフォーム)の開発を行った.ここでは,LabVIEWを用いた.16基の無線センサノードの同期をとるためにGPS信号を用いた.これによって,高サンプル点のデータを精度良く同期できた. (2)橋梁の計測点の状態を元に,橋梁全体を3次元可視化するツールを開発した.ここでは,予め橋梁のCADデータ等からポリゴンを作成し,これに多点計測データをマッピングさせて,橋梁の状態を3次元的に可視化した. (3)大学の建物と建物を結ぶ渡り廊下(桁橋)について,本システムを用いた計測実験および計測データの解析を行った.この結果,桁橋の動態が3次元的に可視化できた.また,この可視化結果を基に桁橋の固有振動モードの抽出にも成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は,無線センサノードの製作と,橋梁の動態可視化が主な目的であったが,それらを予定通り遂行しただけでなく,橋梁の動態可視化結果を基に,橋梁の振動モードを抽出する新たな手法が構築できそうである.H24年度に精力的に取り組む予定であるが,当初の予定以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,開発した無線センサ計測システムおよび可視化ツールを,実際の橋梁振動計測に応用することを試みる.また,振動モード同定にも応用し,橋梁のメンテナンスツールとしての有用性を検証する.最終年度はシステムの検証がメインであり,研究の方針や計画に変更はない,
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Research Products
(4 results)