2012 Fiscal Year Annual Research Report
プレストレスの導入によるCFRP板接着工法の高性能化と疲労き裂補修の設計法の構築
Project/Area Number |
22560484
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中村 一史 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (70264596)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 構造工学・地震工学 / 構造・機能材料 / 維持管理工学 / 補修・補強 / 疲労き裂 / CFRP / ストップホール |
Research Abstract |
平成24年度には,開発した簡便なプレストレス導入装置を疲労き裂の補修に適用して,その効果を実験的に検討した.さらに,典型的な合成鈑桁橋のき裂補修に対して,提案した補修法の妥当性と有用性を解析的に検討した.その結果,以下ような成果が得られた. (1) プレストレスを導入したCFRP板接着による疲労き裂の補修効果の検証 補修対象は平鋼板の中央貫通き裂(初期き裂長さ12mm程度)であり,予めプレテンションが導入されたCFRP板を疲労き裂に接着して補修を行い,硬化後にプレテンションを解放して,鋼板(幅100mm,厚さ9mm)に圧縮応力(60MPa相当)を導入することができた.さらに,応力範囲を変えた疲労試験を行って,プレストレス導入による補修効果を検討した.その結果,プレストレスを導入しない場合に比べて,疲労寿命が飛躍的に増大すること,また,応力範囲によっては疲労限となることもわかり,開発した工法は,き裂補修に十分適用できることが確かめられた. (2) CFRP板接着工法の設計法の構築 ストップホール穿孔とCFRP板接着を併用する補修法の実構造への適用性を明らかにするために,鋼桁面外ガセット溶接部を模した試験体に基づく補修効果を弾塑性FEM解析により検討するとともに,実橋への適用を想定して,鋼合成鈑桁橋の全橋3次元FEM解析モデルを作成して,提案する補修法と設計式による評価の妥当性と有用性を検証した.まず,実験的に確かめられた補修効果を解析的に検証した結果から,応力集中係数と剛性比をパラメータとする簡便な設計評価式を提案した.さらに,全橋モデルで疲労き裂の再発生が予想される箇所において,提案する補修法による応力低減効果を検討した結果,横構斜材軸力による面外曲げ応力に対しても有意な効果が認められるとともに,提案した設計評価式は,実構造の補修効果の推定に十分適用できることが確かめられた.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|