2010 Fiscal Year Annual Research Report
スロッシングによる内容液の溢流量の算定とその減衰対策への研究
Project/Area Number |
22560486
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
平野 廣和 中央大学, 総合政策学部, 教授 (80256023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 森晶 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (90273276)
丸岡 晃 八戸工業高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (30310973)
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Keywords | スロッシング / 矩形型貯槽 / 加振実験 / やや長周期地震動 / 自由表面解析 / 減衰定数 / 加振方向角 |
Research Abstract |
加振方向角を変化させた矩形断面水槽のスロッシング挙動の把握を実施した。矩形型貯槽は円形型貯槽と違い地震による加振方向角や貯槽の寸法比により、液面揺動に変化が生じると推測される。さらに矩形断面水槽の特徴は、長辺方向と短辺方向の2つの固有振動数が存在することである。このため、矩形断面水槽の加振方向角を変えて加振させた場合、この2つの固有振動数により液面揺動がどのような変化をするかという検討が必要となる。そこで、本研究では,矩形断面水槽の長辺方向,短辺方向のスロッシング1次、2次モードに着目し、地震により加振方向角が変化した場合について、矩形型貯槽の液面揺動がどのように変化するかを調査した。また実験結果から最大波高に対する加振方向角と寸法比の影響を検討した。 平野らの実験は、断面の縦横比が約1:2の矩形断面水槽を用いて加振方向角を変化させながら加振実験を行った。その結果、矩形水槽の長辺方向の2次モードと短辺方向の1次モードにおいて、加振方向角が変化することにより応答波高が増大することを確認した。また,加振方向角が変化したことにより、回転する挙動が促されて応答波高が増大した。また、減衰定数に関してはモード形状と加振方向角に依存せず0.2~0.6%と小さい値をとることを確認した。 鈴木の実験は、断面の縦横比が1:1の矩形断面水槽を用いて行った。加振方向角θを0°~90°まで変化させた場合、75°までは,明確な固有振動数が確認された。加振方向角θが30°までの変化なら、スロッシングによる最大波高は最大でも30%程度しか減少しなかった。この様に縦横比が1:1の矩形断面水槽貯槽のように長辺と短辺の長さが同じ場合は、貯槽の縦横比寸法により液面揺動の最大波高は大きく影響されると思われる。 丸岡は、2つの実験を検証モデルとしての自由表面の数値解析プログラムの作成を行い、実験との整合性を確認している。
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