2011 Fiscal Year Annual Research Report
変動二軸曲げを受ける鉄筋コンクリート柱の耐震性能に関する実験ならびに解析的研究
Project/Area Number |
22560488
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
水野 英二 中部大学, 工学部, 教授 (80144129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 征夫 中部大学, 工学部, 教授 (50065281)
鈴木 森晶 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (90273276)
伊藤 睦 中部大学, 工学部, 准教授 (00345927)
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Keywords | RC柱 / 二方向繰り返し曲げ / 軸方向筋の座屈 / 荷重-変位曲線 / 帯鉄筋間隔 / 載荷パターン |
Research Abstract |
平成23年度のRC柱に関する実験ならびに解析的研究の成果は以下の通りである. 【ポストピーク領域における鉄筋コンクリート柱の繰り返し耐荷特性に関する実験的研究】 「横拘束筋間隔」,「コンクリートの圧縮強度」および「載荷パターン」を要因としたRC柱の」方向繰り返し曲げ実験結果を基に,コンクリートの圧壊および軸方向筋の座屈に代表される繰り返し劣化性状がRC柱部材の耐荷性能に与える影響について検証した.その結果,軸方向筋の座屈には,載荷パターンの違いによらず,開始時点までに入力された累積吸収エネルギー量と横拘束筋間隔が大きな影響を与えるという知見を得た. 【地震動により曲げ圧縮を受けるRC橋脚の内部性状に関する解析的検討】 2011年に発生した東日本大地震(マグニチュード9.0),1995年に発生した兵庫県南部地震(マグニチュード7.3)のような大地震動が作用した下での橋梁の耐震性能を把握するためには,十分な精度を有する解析手法により詳細な検証を行うことが望ましい.本研究では,まず,有限要素解析プログラムFEAPを用いて,RC柱に対する一定軸力下でのプッシュオーバー解析を行った.ここでは,道橋示で規定されるコンクリート構成モデルを含めた,各種構成モデルを組み合わせた解析結果と筆者らが行ったRC柱供試体に対する繰り返し載荷実験結果とを比較・考察することにより,「水平耐力照査に用いる構成モデルの適応性」について論じた.さらに,星隈らが行った実大RC橋脚への繰り返し載荷実験結果に対する解析を実施し,断面寸法の違いが解析結果に与える影響について検討した.【二方向繰返し力を受けるRC柱の載荷履歴が変形性状に及ぼす影響に関する研究】 【二方向繰返し力を受けるRC柱の載荷履歴が変形性状に及ぼす影響に関する研究】 本研究では,載荷履歴と横拘束筋間隔をパラメータとし,二方向載荷実験を行い,これまで行ってきた一方向載荷実験と比較することにより,載荷履歴および横拘束筋間隔の違いが,軸方向筋の座屈性状やRC構造物の変形性能にどのような影響を与えるかを考察した.併せて同一の地点へ到達する場合であっても,どのような経路を辿って到達したかにより,座屈挙動などにどのような影響を与えるか考察した.なお,本研究はモデル供試体による実験であるが,これら結果を考察することにより,実寸大RC柱の繰り返し変形性状を解明する基礎データとしたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,「一方向のみならず多方向からの繰り返し力(例えば,変動二軸曲げ)を受ける鉄筋コンクリート柱(RC柱)のポストピーク領域にまで及ぶ耐震性能を実験的ならびに解析的な観点から検証する」ことにある.平成23年度は,変動二軸曲げを受けるRC柱のポストピーク領域にまで及ぶ内部コンクリートへの拘束効果および耐震性能について実験ならびに解析的な観点から検討を行った.交付申請書に記載した「研究の目的」課題:(1)変動二軸曲げを受けるRC柱の耐震性能の実験的および解析的検証,(2)耐震性能の検証を概ね実施することが出来た.よって,自己評価の区分を(2)とする.
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Strategy for Future Research Activity |
平成22年度および23年度の研究成果を基に,本課題に対して, ・繰り返し二軸曲げの追加実験を実施し,繰り返し-軸曲げ実験から得られる挙動との違いを明確にする. ・さらに,RC柱にとってCriticalな二軸曲げ状態を特定する. ・最終的には,二軸曲げ状態下での内部コンクリートへの拘束効果およびRC柱の耐震性能について実験ならびに解析的な観点から検討を行い,合理的な補強法の提案を目指す.
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