2010 Fiscal Year Annual Research Report
地下水涵養を考慮した水害対策に関する基礎的研究-地域特性を生かした取組み
Project/Area Number |
22560491
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
豊田 浩史 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90272864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 光隆 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50196755)
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Keywords | 地下水涵養 / 消雪井戸 / 被圧地下水 / 内水氾濫 / 地下水水質 |
Research Abstract |
迅速かつ経済的な雨水流出量の低減策として,また地下水涵養や地盤沈下の防止にも繋がる手法として,「消雪井戸を利用した雨水の地下水涵養」を提案した.しかしながら,消雪井戸を利用した浸水対策は全国的に前例が無い.そのため,本手法を実用化するためには,消雪井戸を用いた雨水の直接注入に伴う地下水への影響を検証するとともに,内水氾濫への適用として,雨水流出量の低減効果を定量的に示す必要性がある.このような背景のもと,本手法の実用化が望まれている新潟県見附市今町地区の雨水の水質や地下水の水位・水質を調査し,消雪井戸への雨水注水試験より,該当地区の雨水を消雪井戸より地下水へと涵養することによって生じる地下水位や水質への影響を検証した.以下に,本研究より得られた知見を示す. 1. 今町地区で採取した降雨および地下水は,地下水環境基準を満たしており,汚染物質が基準値以上に含まれていない. 2. 注水井戸では,屋根で採取した雨水注入から2~3日後に井戸内で鉄バクテリアや酸化鉄が発生し,濁度や浮遊物質量が上昇することが分かった.しかしながら,鉄バクテリアや酸化鉄の発生に伴うストレーナーの目詰まりは,揚水を行う事で除去できる可能性が高い. 3. 注水井戸で目詰まり物質が発生したこと以外は,雨水注入に伴う地下水水質の悪化は見られなかった.
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