2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560493
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
藤縄 克之 信州大学, 工学部, 教授 (00219031)
|
Keywords | 気液混相流 / 乾湿履歴 / サクション / 間隙空気圧 / 小型テンシオメータ / カラム試験 / 土壌水分特性曲線 / 数値解析 |
Research Abstract |
多孔体中の気液混相流の基礎実験を実施するために,昨年度製作したサクション測定用小型テンシオメータおよび間隙空気圧計を各5個づつ着装した大型カラム(内径50mm×高さ900mm)試験装置を作成し,ついで豊浦標準砂,ガラスビーズ(0.1mmおよび1.0mm),硅砂9号,および硅砂4号の5種類の供試体を使用して実験を実施した.各試料に対してカラム上端を大気に開放したケースと閉鎖したケースの計10種類の実験を各2セットづつ実施した. 各実験では,乾燥試料を充填した後,底面から試料を徐々に水で飽和させつつ,カラム内の間隙空気圧・間隙水圧・吸水量を測定し,吸水過程の水分分布と空気圧分布を調べた.そして,間隙空気圧・間隙水圧・吸水量が平衡状態に至った後,底面のバルブを開放して排水過程の実験に移り,間隙空気圧・間隙水圧・排水量を定常に至るまで測定した. 以上の実験により,粒径や材質の違いによって間隙空気圧,間隙水圧の分布が大きく異なることが明らかになった.また,間隙水圧は高さによって大きく異なるものの,間隙空気圧の高さによる違いは小さく,混相流における空気圧の伝搬は極めて早いことも明らかになった. 一方,最終年度に予定している混相流の数値解析コードの開発に先立ち,本解析コードと密接に関連する物質移動と密度流の連成解析コードの開発が終了し,間隙水圧と間隙空気圧を変数とする連成偏微分方程式の数値解析コードの開発に一定のめどを立てることが出来た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定通り当初の実験が終了し,十分な成果を上げることが出来た.また,最終年度に予定している混相流の数値解析コードの開発に先立ち,本解析コードと密接に関連する物質移動と密度流の連成解析コードの開発が終了し,学会で発表すると共に,Springer発行の単行本「Sustainable Land Management」に「Anthroscape of the Mediterranean Coastal Area in the Context of Hydrogeology : Projected iImpacts of Climate Change」として収録された.
|
Strategy for Future Research Activity |
予定通り,平成24年度に飽和・不飽和浸透流の基礎方程式に土壌空気の流動方程式を連成させる数学モデルを構築し,さらに有限要素法を用いて数学モデルを解析すう数値解析コードを開発して,平成23年度に行った実験結果を用いて数学モデルおよび数値モデルの検定を行う.
|