2011 Fiscal Year Annual Research Report
広域センサネットワークによるリアルタイム防災システムの研究
Project/Area Number |
22560494
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 哲 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00324658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 倫史 京都大学, 工学研究科, 助教 (20467450)
三浦 悟 鹿島建設株式会社, 技術研究所, 研究員 (20374027)
黒沼 出 鹿島建設株式会社, 技術研究所, 研究員 (30416713)
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Keywords | 変位計測 / センサネットワーク / 防災システム / リアルタイム / 岩盤斜面 |
Research Abstract |
本研究は岩盤に設置した小型の発信機からの電波を,周辺に配置した受信機で受信し,その位相差から設置した箇所の3次元変位をリアルタイムで計測する岩盤変位計測システムを完成させるものである.本計測手法は電源およびデータ通信に有線が不要な小型の発信機および受信機のみでハード機器が構成される,また本研究の手法は地上に設置した送受信機器間での計測であり,電波は数kmの遠隔においても受信することが可能であるために,高精度(mm以下)でのリアルタイム計測が可能になる特徴がある.本研究では3年間の現場実験を通して計測システムの実用化を完成させることを目標とし,これまでの研究期間内において次の項目を開発することに成功した. ・受信機配置の的確な配置と設計法の確立 ・電波の相互送受信機器の動作検証による計測システムの実用化完成 具体的には,「受信機配置の的確な配置と設計法の確立」においては,受信機の幾何学的な配置によって計測精度は変わるため,実用化に際し計測システムの設置前に最適な受信機の配置を決定する必要があるが,本研究ではこの精度を決定する指標としてDOP (Dilution of precision)と称される度劣化指数を導入し,あらかじめ現場状況が分かれば計測システムの配置を設計できる手順を確立させた.また,「電波の相互送受信機器の動作検証による計測システムの実用化完成」においては,高精度で広域を計測できるシステムの構築を目指し,送信機と受信機間が数km以上の遠隔で配置できるシステムを完成させるための通信技術の構築を構築した.これらの実績により本手法の実用化という目標を達成させることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究によって次のような,他に類のない独創的な利点をもつ岩盤斜面用変位計測技術が実現場で実用される実績を得ることが出来た. ・計測システムは災害に強く,任意の設置場所に配置させることが可能である. ・省電力機器で構成され,設置後はメンテナンスフリーで稼動する. ・岩盤の3次元の変位をmm以下の単位で計測することが可能となった. ・我が国の携帯電話の製作技術やMEMS製作技術を応用することでハード機器に要するコストを低く抑えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは掲げている目標以上の達成度を得ることが出来た. 研究開発の最終年度である今年度は,これまで得られた成果をとりまとめて学会発表を行う等の活動をさらに積極的に行い,本システムの実用化の普及を目指す.
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