2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポーラス積層地盤の塑性変形特性および透水機能低下の究明と解析モデルの提案
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22560495
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 信之 神戸大学, 自然科学系先端融合環都市安全研究センター, 准教授 (20166961)
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Keywords | 積層地盤 / アスファルト舗装 / ポーラス / 塑性変形 / 透水係数 / 排水性 / 三軸試験 / 模型実験 |
Research Abstract |
都市域における洪水対策やヒートアイランド現象軽減のための一手段として,道路面に空隙の多い(ポーラス)層を設ける積層地盤の適用が進みつつある.しかし,その機能低下や耐久性については十分に解明されてはいない.そこで本研究は,交通荷重によるポーラス積層地盤のわだち掘れと透水機能の低下に焦点を絞って,それらのメカニズムの究明と解析モデルの提案を目指すものである.平成22年度は,要素力学試験を重点的に行った.具体的には,まずアスファルト固化体については2種類のアスファルト混合物(排水性と密粒度)を対象に円柱供試体を用いて,設定した試験条件下で繰返しねじりせん断試験を実施した.その結果,それぞれの混合物について累積塑性せん断ひずみと載荷回数の関係が得られ,混合物によってその特徴が大きく異なることを明らかにした.次に,未固結粒状材料については鉄鋼スラグ路盤材を対象にして円柱供試体で長期繰返し三軸圧縮試験を行った.軸方向のみならず水平方向についても累積塑性ひずみと載荷回数の関係が精度よく得られた.また,両方向の累積塑性ひずみが平均有効主応力,繰返し偏差応力,載荷回数を変数とする関数で記述できることなどを明らかにした.いずれも既往研究では見られない成果である.アスファルト固化体の成果はその耐久性評価方法の確立のための新たな研究課題へと展開できるものでもある.また,未固結粒状材料の成果は今後確立していくべき舗装の理論的構造設計法におけるわだち掘れの予測解析に応用できるものである.さらに,予備実験として三層系の模型アスファルト舗装(アスファルト混合物表層、粒度調整砕石路盤,まさ土路床)を用いた繰返し平板載荷試験も実施した.ポーラス積層地盤の作製には模型型枠の改良と載荷方式にひと工夫必要であることも分かった.これらのことから,本研究課題に関する当該研究期間の当初目標は十分に達せられたと考えられる.
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