2012 Fiscal Year Annual Research Report
流速に着目した浸透破壊規準とその天然堰止めダムへの応用
Project/Area Number |
22560499
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅村 順 日本大学, 工学部, 講師 (70256816)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 地盤工学 / 土砂災害 / 浸透破壊現象 / 限界動水勾配 / 限界流速 / 表面侵食 |
Research Abstract |
本申請課題では、土の浸透破壊現象について、主として、①流速および動水勾配に着目したそれぞれの評価規準を評価するための試験装置を作成し、それらを用いた評価手法を提案する。②そして、それら評価規準の関係を土の物理的性質と関連づけて、それらの適用条件を明らかにする。③それら規準を天然ダムの現場での事例に適用を試みるための模型実験を実施し、適用性の可否と問題点を整理する。の3点を目的に進めた。昨年度は、以下のような成果を得た。 1)浸透破壊や土粒子の運搬に係る文献について、地質学の分野にまで範囲を広げて調査、収集した。その結果、地盤工学分野の研究には水圧のつり合いを考慮する力学系がみられるが、地質学、水理学の分野での研究は、概ね土粒子と流体力のつり合いを考慮する力学系であった。また、ほぼ全てが、静力学に置換した系を取り扱っており、時間次元を取り入れたものはなかった。そこで、土が浸透流から受ける力を、静水圧と動水圧に配分されると考える概念を導入し、その方法の提案を行った。 2)前年度作成した限界流速測定装置を用いて、いくつかの試料を対象に、1)で述べた概念を適用した実験を実施した。特に、土の間隙比が及ぼす影響について調べたところ、静水圧から評価される抵抗力は、間隙比に依存するが、動水圧から評価される値は、間隙比によらないことが判った。このことは浸透破壊現象を複雑にしていた。一方、動水圧に起因する破壊には、進行性の傾向が認められ、この点を評価する必要性があることが解った。 3)水路模型実験装置を作成し、この装置での実験を進めた。その結果、侵食現象が経時現象であり、土の表面で土粒子の交換が生じて粗粒化が生じることを確認した。このことは、上記評価規準での動水圧からの評価と密接に関連していると考えられ、この視点からの評価が必要であることが解った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)