Research Abstract |
1.木質系バイオマス炭化材の物理・化学特性 孟宗竹を対象に炭化材を作製し,物理・化学特性の検討を行った.この時,炭化材の吸着性能は,炭化時の温度条件により左右されることから,数種類の炭化工程・温度条件により作製している.これらを化学組成,比表面積,電気抵抗,pHを測定した.その結果,竹炭作成条件による化学組成に大きな違いは認められなかった.また,炭化温度が高くなるに伴い,比表面積は大きくなることが分かった.さらに、電気抵抗では、比抵抗値10^<-4>Ωcm以下となると竹炭は通電性を有しており,竹炭のpHは,作成条件の違いに関わらず,弱アルカリ性を示した。 2.炭化材の地盤環境修復効果 (1)底質悪化干潟土の化学物質量観測 有明海の干潟から採取された底質土を対象に,炭化材を活用した干潟土の底質環境改善効果に関して実験的検討を行った,底質を悪化させた地盤に竹炭を混合して模型地盤を作製し,計測項目として,底質土内pH,酸化還元電位,酸揮発生硫化物量(AVS)を定期的に観測し,炭化材混合による環境改善効果を確認した.その結果,高温の竹炭を混合することにより,底質土は還元雰囲気下においても,時間の経過とともに,硫化物量は減少し水産運用基準を満たすことが認められた.なお,平成23年度以降も,実験を継続し,定期的な観測から長期安定性の検討も行く予定である. (2)炭化材による汚染物質の吸着効果 地盤改良時に溶出する可能性のある六価クロムについて,竹炭の吸着特性を検討した。シリアルバッチ試験の結果から,竹炭は炭化温度が高温になるに伴い、六価クロムの吸着量は増加した.また,火山灰質粘性土をセメント安定処理した改良土に竹炭を混合させることにより,六価クロムの溶出を抑制することが確認された。なお,抑制量は,竹炭の作成条件に依存しないことが分かった。
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