2011 Fiscal Year Annual Research Report
木質系バイオマス炭化材の地盤材料への適用性に関する研究
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22560503
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
荒牧 憲隆 崇城大学, 工学部, 准教授 (00299661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 泰弘 九州産業大学, 工学部, 准教授 (50274692)
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Keywords | 木質系バイオマス / 竹炭 / セメント安定処理 / 六価クロム / 火山灰質粘性土 / 吸着 / 干潟底質保全 / 底質環境指標 |
Research Abstract |
1.炭化材の地盤環境修復効果 平成22年度から継続しており,炭化材を活用した干潟土の底質環境改善効果に関して実験的検討を行った。定期的な観測から長期安定性について調べている。計測項目として,底質土内pH,酸化還元電位,酸揮発生硫化物量,硫酸イオン濃度である。その結果として,硫酸還元菌の活動条件を満たした干潟土であっても,炭化材を混合することで,干潟土における底棲生物の生息条件となる酸揮発性硫化物の発生を長期的に抑制することが可能であった。 2.炭化材を混合したセメント安定処理効果 低強度・低品質な建設発生土の有効利用を考え,炭化材を活用した火山灰質粘性土のセメント安定処理効果を検討した。固化材には,普通ポルトランドセメントおよび高炉セメントB種を用い,安定処理効果の確認には一軸圧縮試験を実施した。その結果として,炭化材を混合することで,セメント安定処理効果と比較し,著しい強度増加が認められた。 3.炭化材を混合した安定処理土からの重金属溶出特性 火山灰質粘性土をセメント改良した場合には六価クロムが溶出することがある。(2)での試験計画と同時に,炭化材の吸着性能に着目した安定処理土の重金属溶出特性の改善効果について確認を行った。溶出試験は,環境省告示46号およびタンクリーチング試験を実施している。その結果,セメントのみの安定処理土では,環境基準値を超える六価クロムの溶出が認められたが,炭化材を混合することにより,六価クロムの溶出抑制が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」に沿い,研究分担者との連携も密に行い,各種実験,分析が進められており,その成果を学会等に公開できている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者と,定期的に研究打合わせを進め,今後の研究に向けた調整が行われている。また,学会発表や論文投稿を行い,成果を社会に発信し,一般に研究成果を広く公表する予定である。さらに,本研究課題は,今年度が最終年度となるため,平成22年度から24年度で得られた研究結果をもとに,成果を取りまとめる予定である。
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