2011 Fiscal Year Annual Research Report
空間的ばらつきを考慮したセメント改良地盤の強度評価法に関する研究
Project/Area Number |
22560505
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
並河 努 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (50455151)
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Keywords | セメント改良土 / ばらつき / 自己相関 / 強度 |
Research Abstract |
深層混合処理工法によるセメント地盤改良工法は、土木建築構造物の基礎、掘削時の土留め壁、液状化対策等に幅広く用いられるようになってきている。深層混合処理工法では地盤とセメントスラリーを原位置で撹搾混合するため、構築されるセメント改良地盤の強度にはばらつきが生じることが知られている。また、実際のセメント改良地盤の強度には、空間自己相関特性が存在することが知られている。強度の空間的なばらつきを有するセメント改良地盤の破壊挙動を評価し、その設計基準強度を設定する方法を確立することを本研究の目的としている。 平成23年度は、強度の空間分布を有するセメント改良体の力学挙動をシミュレートしたFEM解析を実施した。また、強度のばらつきを有する供試体を用いた一軸引張試験を実施した。 FEM解析では、強度の空間分布を有する供試体を用いた一軸圧縮試験をシミュレートしたFEM解析を実施し、試験結果との比較によりFEM解析の再現性を確認した。 そして、本FEM解析を用いて、ばらつきを有する供試体の一軸圧縮試験、一軸引張試験、曲げ試験のシミュレーションを実施し、強度の空間的なばらつきがセメント改良体の力学挙動に与える影響を調べた。解析結果より、強度の空間的なばらつきの指標を示す自己相関距離がセメント改良体の圧縮強度および引張強度に大きな影響を与えることが明らかとなった。自己相関距離の影響は、圧縮強度と引張強度及び曲げ強度では異なるという新しい知見が得られた。室内試験では人工的に強度のばらつきを有する供試体を用いた一軸引張試験を実施した。試験結果より、強度の平均と標準偏差が同じであっても、配置により全体強度が異なることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的は、A.強度のばらつきを有するセメント改良体の破壊挙動を室内試験により明らかにするとともに、研究代表者らが開発した構成モデルを用いたFEM解析の再現性を検証する。B.空間的ばらつきを考慮した場合の実大セメント改良体の圧縮及び引張破壊挙動を評価し、その設計基準強度を設定する方法を確立する。 上記目的Aは平成22年度、平成23年度においてほぼ達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定通り、実大改良コラムを対象としたFEM解析を実施して強度のばらつきを有する実大改良コラムの圧縮強度と引張強度の設計基準強度設定方法を確立する。また、研究成果をとりまとめた報告書を作成し配布するとともに、国内外での論文投稿・発表を行うことにより積極的に成果を公表する。
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Research Products
(3 results)