2012 Fiscal Year Annual Research Report
河川における大小の渦形成と流速変動の精密な現地計測による実態解明とその応用
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22560510
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
藤田 裕一郎 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (90027285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 精榮 岐阜大学, 工学部, 技術専門員 (90377698)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 水工水理学 / 自然現象観測 / 乱流現象 / 流体 / 水圏現象 / 水難危険箇所 |
Research Abstract |
当初、3次元超音波ドップラー流速計(3D-ADV)を併用した手法に工夫を加えつつ観測を継続して、測定音響ドップラー流速流向分布計(ADCP)の精度をより明らかにし、複雑な渦場での乱流エネルギーのカスケード過程を明確にするとしていたが、観測手法の再検討と蓄積データの精査によって、これ以上測定精度の上がる余地は少なく、新たに観測しなくても、流れ場や乱流特性の考察には十分と判断し、観測データの系統的とりまとめを中心に研究を進めることとした。まず、各観測特性の整理と全測定データの可視化から、鉛直方向平均流速場の変化を示して昨年度に概要を示した流れの空間的変化と河床形状との対応関係を、可視化ソフトによって精度よく内外挿した曳航観測データの鉛直各層における流速平面分布を相互比較してより明確にした。ついで、時空間分解能が大きく異なるADCPデータと3D-ADVデータについて、長時間の観測結果から、乱流スペクトル解析の使用データ数を増減してカスケード過程を検討し、主に前者から、河道形状の水平・鉛直スケールに対応すると見られる複数ピークを、また、後者から、慣性小領域が存在することを見出した。これらは、河道急変部における流れの実態を具体的かつ詳細に示した点で過去に見られないものであり、流れのエネルギー損失評価に繋がる点で水理学的な価値が高く、また、水難危険個所の実態を利用者や河川管理者等に周知していく上でも貴重なものである。 石礫床における流れの実験的解明について、本年度は、より実際に近い桟型粗度を設けた台形断面水路を用いて3D-ADVによる測定を開始したが、開始直後にそのプローブが損傷し修理に3ヶ月以上を要することから3次元電磁流速計での計測に切り替えた。これにより、時空間分解能が不十分で乱流特性は把握できなかったが、水工学的に重要な平均場の流れ特性やエネルギー損失特性は明らかにしえた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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