2010 Fiscal Year Annual Research Report
波浪特性に基づいた大気-海洋間の二酸化炭素交換速度の評価法に関する研究
Project/Area Number |
22560518
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉原 裕司 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (70243970)
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Keywords | 海面境界過程 / 気体交換 / 地球温暖化 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
本研究では,京都大学防災研究所白浜海象観測所所有の田辺中島高潮観測塔においてフィールド観測を行う.本年度は,計測システムの整備ならびに大気側計測システムの観測塔への設置を行った.超音波風速温度計とオープンパス型赤外線ガス分析計(NDIR)を設置して,風速変動,温度変動,水蒸気濃度変動,大気側CO_2濃度変動の観測を開始した.測定データは,無線LANシステムによって地上の観測所に伝送され,20Hzの高周波数で記録されている.これらのデータを用いることによって,渦相関法および慣性散逸法による海洋上の運動量フラックス,CO_2フラックスを算定することができる.LEDによる光学的原理を用いた液-液平衡式CO_2濃度測定器について技術協力を受けている海洋研究開発機構と打ち合わせを行った.同研究機構の液-液平衡式溶存CO_2濃度測定器はブイに登載するタイプのものであるが,これを観測塔へ固定できるものへ改良し,次年度に観測塔に設置することになっている.また,海面画像データを取得するための計測システムの整備を行った.このシステムは高解像度のWEBカメラにより撮影した海面画像データを無線LANを介して観測所へ伝送するものであり,次年度に設置・運用する.さらに,大気-海洋間CO_2交換速度のモデル化に関する理論研究を実施した.その結果,乱流効果と砕波効果を分離して定式化するハイブリッドモデルが交換速度の摩擦速度依存性を表現する上で有効であることを確認した.次年度は,フィールド観測からCO_2交換速度の評価法を構築する基盤となる精度の高いデータセットを取得し,理論的検討と併せて交換速度を評価する上で有効な波浪特性量を明らかにする予定である.
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Research Products
(4 results)