2010 Fiscal Year Annual Research Report
感潮河道蛇行部における懸濁土砂の横断方向輸送と河岸形成に関する研究
Project/Area Number |
22560520
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
横山 勝英 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10347271)
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Keywords | 感潮河道 / 高濁度水塊 / 二次流 / 底質 |
Research Abstract |
筑後川の河口から14km地点において,2002年から測量と底質採取を行った.2009年4月23日~2010年11月7日までは,底質採取に加えて12.0~14.6kmまでの間で横断方向に100~200m間隔で17測線,縦断方向に50~60m間隔で4~5測線を設定して詳細測量を行った.1回の測量での延べ走行距離は約17kmである.測量では,デジタル音響探知機により緯度・経度・水深を,小型水位計により水面標高を記録し,河床標高データを作成した.観測は1~3ヶ月の間隔で計45回行った. 14Km地点ではどの年も,梅雨の洪水により流量が2,000m^3/sを超える期間に断面積が大幅に拡大し,中央粒径が0.5mmを越えて河床に砂が現れている.断面積の拡大量は流量の大きさと,その期間によって変化していることが読み取れる.その後,平水流量(約50m^3/s)が継続する期間で徐々に断面が回復していくが,中央粒径が0.01mm以下になることから底質が泥に戻っているのが分かる. 湾曲部の詳細な河床地形図(平面図)を作成した。7月25日に洪水が発生しており,7月28日の地形図では13km付近より上流側で左右対称の逆台形型の横断面となっている.これに対して,12月5日では特に14km地点で等深線が流心側に膨らんでおり,湾曲の内岸側に斜面が形成されたことを示している. 湾曲内岸領域における横断面変動量を調べると,堆積の初期段階では13.4km地点に最大の堆積が見られるが,その後,最大ポイントが上流側の14km地点に移動している.河川感潮域では高濁度水塊による平常時の土砂輸送が卓越しているため,湾曲の下流側ではなく上流側に堆積斜面が形成されると考えられ,通常の河川中流部とは異なる地形変動が起こっていることが分かった.
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