2011 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタル次元を用いた個人間の相互作用による交通行動への影響に関する研究
Project/Area Number |
22560530
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高瀬 達夫 信州大学, 工学部, 准教授 (10283235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 茂 信州大学, 工学部, 准教授 (30271886)
小山 健 信州大学, 工学部, 教授 (40021026)
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Keywords | フラクタル次元 / 交通行動分析 / 個人間相互作用 |
Research Abstract |
本研究は人の行動に大きな影響を与える他者の行動を状態のフラクタル性を用いて表現し、個人間の相互作用を考慮した交通行動分析モデルの構築やTDM施策による個人への働きかけが他者の行動にどのような影響を与えるのかを分析することを目的としている。そのため23年度は平成22年度に行った事業所及び従業員に対して行ったアンケート調査データを基にして、まず従業地と公共交通機関利用者の居住地の職住分布構造をフラクタル次元を用いて定量化を行い、フラクタル次元を変数に取り入れた交通行動モデルの構築を試みた。このとき他の定量化指標との比較のために、エントロピーや分担率といった分布を表す指標を用いた場合のモデル構築も併せて行った。さらにフラクタル次元を用いたモデルを利用して交通政策による人の行動への波及効果の分析も行った。 構築したモデルの比較検討を行った結果、ρ^2の値、説明変数のt値、的中率と全てにおいてフラクタル次元を含むモデルのあてはまりが最も良く、フラクタル次元を通勤交通モデルに導入することは有意であり、むしろフラクタル次元を用いることは有効な手段であることがわかった。さらにサービスレベルの変更や政策の施行そのものの影響により通勤手段を変更する人の変化だけでなく、政策後の変化までも知ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22年度および23年度で、松本市を研究対象地域として設定して通勤交通調査を行い、調査データをもとに本研究の主眼であるフラクタル次元を導入したモデル構築を行い、さらに他のタイプのモデルとの比較検討を行うことができた。これは当初の計画通りに研究が進んでおり、順調に推移しているものである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は当初の計画通りに進展している。24年度では本研究で用いているフラクタル次元は求める地域の設定の変化に伴って変化することから、対象地域の変化によってもモデルの信頼性について変化があるかどうかを分析し、モデルの頑健性について検討を行うこととする。
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Research Products
(2 results)