2011 Fiscal Year Annual Research Report
都市鉄道の所要時間信頼性向上に起因する利用者便益の計測手法に関する研究
Project/Area Number |
22560536
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
高田 和幸 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (30282867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋井 鉄雄 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10182289)
岩倉 成志 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20223373)
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Keywords | 都市鉄道 / 所要時間信頼性 / 利用者便益 / 出発時刻決定 / 余裕時間 |
Research Abstract |
1.移動余裕時間に関する分析 前年度に実施した調査データを用いて,移動余裕時間に影響を及ぼしている要因の抽出を行った、その結果,移動距離,乗り換え回数,鉄道利用頻度などが要因として抽出された. 2.出発時刻決定行動のモデル分析 前庫度のレビューの成果を踏まえ,Fosgerauが開発した統合アプローチを援用して,首都圏の鉄道通勤客の出発時刻決定モデルを定式化した.そして鉄道通勤客が設定する移動余裕時間を被説明変数,移動距離,乗り換え回数,鉄道利用頻度などを説明変数とする非線形回帰モデルを構築した.モデルパラメータの推定には,余裕時間設定の個人間の異質性を考慮可能な階層ベイズを適用した.パラメータ推定の結果,上記の説明変数が移動余裕時間の影響要因であることを明らかにした. 3.鉄道ネットワークのリダンダンシー性能評価指標の開発 経路代替性の状況が出発時刻に影響を及ぼすと考えられる.そこで起点と終点を移動する際の経路代替性を評価するための指標を作成した. 4.損失時間削減に対する支払意志額の分析 鉄道の運行遅延による損失時間削減に対する支払い意志額を推定するモデルを構築した。生存分析手法を用いて支払い意志額関数を推定した結果,損失時間,鉄道利用頻度,遅延遭遇率などが支払い意志額への影響要因であることを明らかにした. 5.補足調査の実施 本研究では所要時間の不確実性を2種に区分して評価する予定であった。一つは,出発時刻の決定に影響を及ぼすような日常的に生じている所要時間不確実性であり,他方は,出発時刻の決定に影響を及ぼさない頻度で発生する所要時間不確実性である.しかしながら,これら2種の不確実性に対する評価は,個々人によって異なると考えるに至った.そこで本研究では,所要時間の不確実性が出発時刻に及ぼす影響の個人差を評価するためのデータ整備が必要という考えに至り,補足調査を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,所要時間の不確実性を2種に区分して評価する予定であった.一つは,出発時刻の決定に影響を及ぼすような日常的に生じている所要時間不確実性であり,他方は,出発時刻の決定に影響を及ぼさない頻度で発生する所要時間不確実性である.しかしながら,これら2種の不確実性に対する評価は,個々人によって異なると考えるに至った.そこで本研究では,所要時間の不確実性が出発時刻に及ぼす影響の個人差を評価するためのデータ整備が必要という考えに至った.そのため,新たに分析すべき内容が加わった.分析するためのデータは昨年度中に整備したが,やや遅れている感は否めない.
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Strategy for Future Research Activity |
当初,所要時間の不確実性を2種に区分して評価する予定であった.一つは,出発時刻の決定に影響を及ぼすような日常的に生じている所要時間不確実性であり,他方は,出発時刻の決定に影響を及ぼさない頻度で発生する所要時間不確実性である.しかしながら,これら2種の不確実性に対する評価は,個々人によって異なると考えるに至った.そこで本研究では,所要時間の不確実性が出発時刻に及ぼす影響の欄人差を評価するためのデータ整備が必要という考えに至った.そのため,新たに分析すべき内容が加わった.分析するためのデータは昨年度中に整備した.実際の現象を忠実に解析するため,また所要時間信頼性の経済評価を適切に実施するためには,必要不可欠な項目であり,研究計画を修正して実施することにした.
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