2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560538
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石川 良文 南山大学, 総合政策学部, 教授 (20329577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 信広 大東文化大学, 国際関係学部, 准教授 (00433863)
石倉 智樹 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (30356050)
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Keywords | 産業連関表 / 災害 / 応用一般均衡分析 / 相互依存関係 |
Research Abstract |
本研究は、日本を地域分割した上で、東アジア諸国との生産技術の連関構造、交易構造が分析可能な東アジア国際日本地域間産業連関表を作成し、それを用いて、日本と各地域の産業別交易構造の特性分析、応用一般均衡モデルを用いた物流政策分析を行うことを主な目的としている。平成23年度の研究としては、国間地域間連関関係の分析を行うこととしていたが、これについては、まず東アジア各国の相互依存関係を中間財投入と最終財貿易の観点から分析した。さらに、日本の九州地域とその他全国に2地域分割した産業連関表を用いて、中間財投入の寸断リスクを分析した。この分析に際しては新たに質的分析手法を検討した。また、平成23年3月の東日本大震災を踏まえ、日本を地域分割した産業連関表を用いて、発電所の被災がもたらす経済損失を分析可能な応用一般均衡モデルを構築した。以上のように、今年度では新たに作成される産業連関表の特徴を活かして、国内地域および近隣東アジア各国間の相互依存関係を考慮した各種分析を主に行った。さらに、統計データの少ない中国を地域分割した産業連関表を作成する可能性を検討するため、レオンテェフーストラウト型のグラビティモデルの検討を行った。 産業連関表を用いた単純な国間あるいは国内地域間の相互依存関係だけでなく、東日本大震災やタイで生じた洪水など災害の観点からいくつもの分析ができたことが、平成23年度研究の大きな成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東アジア日本地域間産業連関表の作成手法は既に平成22年度中に検討済みであることに加え、今年度も追加的に交易モデルの検討を行っている。さらに、産業連関表を用いて、特に災害がもたらす物流寸断、エネルギー寸断の観点から時宜を得た分析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで東アジア日本地域間産業連関表の作成手法については十分検討できた。主に九州に着目した地域分割を想定していたが、今後は日本の他地域に着目した分割が可能かを検討し、できるだけ一般化された作成手法を検討する。さらに、東日本大震災を受け、災害に着目した追加的な分析を新たに行うことを検討している。
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Research Products
(12 results)