2011 Fiscal Year Annual Research Report
古紙シュレッダーダストを混合した低強度領域対応型の土質改良
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22560552
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
友久 誠司 明石工業高等専門学校, 都市システム工学科, 教授 (60099827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋島 康之 明石工業高等専門学校, 都市システム工学科, 教授 (40263214)
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Keywords | ペーパーシュレッダーダスト / 泥土 / 一軸圧縮強度 / 改良土 |
Research Abstract |
本研究は、建設廃棄物である泥土に廃棄物である紙片を混合し、改良土を建設材料として有効利用することを目的としている。試料は兵庫県のため池の底泥で液性限界が65.1%と高く非常に軟弱な土で、実験には試料の含水比を20%、30%、40%の3種類に調整して用いた。泥土に混合する紙片は新聞紙である。 [実験1]は、泥土に混合する紙片の形状を変化させて改良土の強度発現特性を追究するもので、泥土に混合する紙片は規則配置とランダム配置の2種類の方法である。規則配置の場合は、幅2cm×長さ5cmの紙片を基準に幅と長さを変えた1×5cm,2×3cmの3種類を配置する。一方、ランダム配置の場合は、幅3mm×長さ25mmに裁断した新聞紙を、泥土にそれぞれ1.5%、3.0%(泥土の湿潤質量比)の割合で混合する。改良土の評価は一軸圧縮試験(直径5cm、高さ10cm)を行う。 [実験2]は、リングせん断試験を行い強度発現のメカニズムを検討するもので、外径150mm、内径100mm、高さ25mmのドーナツ型の供試体を用い、挿入する紙片の形状は23×25mmの長方形で、せん断面と直角方向に0.2%と1.0%の混合率で配置した。結果として、 (1)泥土の含水比が高い場合、改良土の強度は紙片無混合と差は見られないが、含水比が低い場合、混合した紙片は強度増加に貢献する。紙片の形状は、幅より長さが改良土の強度に大きく影響する。 (2)紙片の混合により、改良土は粘着力cが大きくなり、最大せん断応力τmaxは増加する。一方、残留強度τ_rは、紙片混合率の少ない場合は小さくなるが、紙片混合率が多くなると内部摩擦角φ_rの増加により大きくなる。 (3)紙片の混合により、改良土の強度はばらつきが大きくなり、残留強度が増加し脆性的な性質を示す。 なお、ごく低強度の泥土に比べ、セメントなどの固化材を混合した強度領域を変化させた改良土の強度特性の実験は次年度に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軟弱な低強度領域の泥土を処理対象土として、紙片混合による改良土の強度特性および強度改善のメカニズムは明らかになりつつある。リングせん断試験により、改良土の最大せん断応力の増加が、混合した紙片の破断および引抜き抵抗によるものであること、および、その違いが残留強度に大きく影響することが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、泥土に混合する紙片の種類・混合率、および配合方法などを変え、さらに泥土にセメントなどの固化材を混合して強度領域を変化させた改良土の強度特性を追究することにより強度改善メカニズムを明らかにすること、改良土の目標強度に対する配合設計方法を検討すること、および改良土を堤防盛土材などに適用した際の浸食特性について水浸実験を行い、改良土の浸食特性を明らかにする予定である。
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Research Products
(5 results)