2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形動的相互作用の観点から見た大加速度を受ける建築物の被災メカニズムの解明
Project/Area Number |
22560554
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三辻 和弥 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (90292250)
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Keywords | 建築構造・材料 / 地震工学 / 防災 / 減災 / 耐震 |
Research Abstract |
大地震時に大加速度の振動を受ける建築物の被災メカニズムを非線形動的相互作用の観点から考察するために、地盤-建物動的相互作用の影響を検討できる地震観測体制を構築するための準備を行った。本年度は地震計、データロガーといった地震観測装置を準備し、地震観測建物の選定を行った。選定については引き続き検討中であり、H23年度中に設置し、観測開始する予定である。また、L字型平面を有するRC造建物や木造建築において常時微動観測を実施し、小振幅の振動時ではあるが、地盤-建物動的相互作用の影響について検討した。他に過去に実施した地震観測データや常時微動観測データの中から地盤-建物動的相互作用について検討可能なデータを抽出し、動的相互作用の影響について検討した。軟弱地盤における観測データからは最上階と1階のスペクトル比のピークが複数現れるなど、地盤-建物動的相互作用の複雑な様相が現れており、建築振動論の観点から物理的な解釈を試みているところである。 硬質地盤上に建つ建物での観測からは0.1秒前後など、短周期領域で地盤-建物動的相互作用の影響を確認した。また、2008年岩手・宮城内陸地震の際の被害建物において行った余震観測データや振動台実験データから、基礎の滑りを考慮した建物の地震応答について検討した。 地盤-杭-建物動的相互作用解析プログラムの開発に着手した。軟弱地盤では杭基礎が採用されることが多いため、杭の特性を含んだ動的相互作用を表現できる解析モデルを作成中である。Penzienモデルをベースに最近の研究から得られた知見を基に、地盤、杭、建物の材料非線形性を考慮できる質点系地震応答解析モデルを検討している。
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Research Products
(4 results)