2011 Fiscal Year Annual Research Report
既存超高層鉄筋コンクリート造建築物の保有耐震性能及び制振補強効果の評価
Project/Area Number |
22560556
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
和泉 信之 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80526773)
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Keywords | 鉄筋コンクリート構造 / 超高層建築物 / 耐震性能 / 地震応答解析 / 非線形解析 / 既存建築物 / 地震対策 / 耐震補強 |
Research Abstract |
本研究の目的は,既存超高層鉄筋コンクリート造(RC造)建築物の保有耐震性能を評価し,耐震対策として有望な制振補強効果を考察することである。本研究の期間は3年間を計画しており,「(A)保有耐震性能指標の解析」,「(B)制振補強効果の評価」の2段階に分けて実施する。 2年目である本年度は,「(A)保有耐震性能指標の解析」として昨年度に実施した「(Al)既存建築物モデルの構築」の成果を受けて,引き続き「(A2)既存建築物モデルの保有耐震性能指標の算定」に取り組んだ。 (A2)では,骨組モデルに対して地震動の強さを変えたパラメトリック非線形地震応答解析を実施して,保有耐震性能指標を算定した。解析対象は,部材の弾塑性性状を適切にモデル化した既存超高層RC造建築物の骨組モデルとした。骨組モデルは3つの設計年代に分けて構築したモデルであり,各年代における使用材料,骨組形状,固有周期及び設計用地震力などの構造特性を反映して骨組形状や部材の復元力特性を設定した。基本モデルとして,3つの設計年代ごとに高さの異なる建築物を3体ずつ設定し,X,Y方向別に骨組モデルを設定した。安全限界指標の算定では,この基本モデルのほかに,各年代の設計用ベースシア係数の分析結果に基づいて梁の曲げ耐力を増減させた強モデル及び弱モデルを設定した。解析モデルは,基本モデル18体,強モデル14体,弱モデル14体の合計46体の立体フレームとした。これらの立体フレームモデルを用いて非線形フレーム地震応答解析を行い,保有耐震性能指標は各限界状態に相当する限界地震動の基準地震動に対する強さの比率として定量的に評価した。その際,限界地震動の強さは,既存建築物の限界変形(部材び)塑性率,または限界層問変形角)を生じさせる地震動の強さとした。 次に,「(B)制振補強効果の評価」として,(B1)制振デバイスを付与した既存補強モデルの構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,既存超高層鉄筋コンクリート造(RC造)建築物の保有耐震性能を評価し,耐震対策として有望な制振補強効果を考察することである。現在までに「(A)保有耐震性能指標の解析」を実施し,既存超高層RC造建築物の保有耐震性能を評価して、「(B)制振補強効果の評価」に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては,「(B)制振補強効果の評価」を実施し,耐震対策として有望な制振補強効果を考察する予定である。現時点において研究計画の変更は予定しておらず,研究を遂行する上での問題点は生じていない。
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