2012 Fiscal Year Annual Research Report
シングル配筋する住宅用RC基礎梁の応力伝達機構に基づく配筋設計の合理化
Project/Area Number |
22560558
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小林 克巳 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40150297)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 建築構造・材料 / 住宅用基礎 / シングル配筋 / 配筋設計 |
Research Abstract |
継続して実験結果を解析し、力のつり合いと応力伝達メカニズムを検討した。薄肉シングル配筋梁の場合には、トラス作用による腹部コンクリートの圧縮力が梁幅内に分布せず主筋周辺に集中することから、主筋が被りコンクリートに押し付けられ、上面割裂ひび割れを発生させている。さらに、主筋が楔効果で上面割裂ひび割れを押し広げ、上面割裂破壊に到ることが分かった。主筋が引張降伏した後でも、主筋が楔効果で上面割裂ひび割れを押し広げることに変わりはなく、曲げ変形限界が主筋比に拘わらず上面割裂破壊で決まってしまうことも説明できた。この上面割裂破壊を防止するためには、トラス作用による腹部コンクリートの圧縮力を梁幅内に分布させればよく、主筋が被りコンクリートに接する面積を大きくすればよい。さらに、主筋が楔効果で上面割裂ひび割れを押し広げるのを防ぐためには、腹部コンクリートの圧縮力に対する主筋の曲げ変形を小さくすればよい。そこで、主筋を薄肉の梁幅内で水平に2本並べ、肋筋間隔を小さくした場合の補足実験を行った結果、上面割裂ひび割れが発生してもひび割れ幅が拡大せず、上面割裂破壊に到らないことを確認した。 基礎立ち上がり部分が不連続となる部分への適用を考えて、別の目的で実施した組立て鉄筋を用いた梁のせん断実験結果を検討した。梁の構造性能としては補強用基礎梁として使用されても何ら変わることはなく、溶接組立て鉄筋の使用が施工の合理化のために極めて有用であることを確認した。 基礎梁腹部に開孔が設けられる場合については、通常の開孔梁についての既往の実験結果を解析し、応力伝達メカニズムを仮定してせん断耐力評価を行い、それに基づく配筋方法の検討を行った。薄肉シングル配筋開孔梁の場合にも基本的には同じと思われるが、シングル配筋と薄肉のためにコアコンクリートが拘束されないことの影響がどう現れるかは今後の課題としたい。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)