2012 Fiscal Year Annual Research Report
土壁を有する伝統木造構法建物の崩壊挙動解析法の開発と限界耐力計算
Project/Area Number |
22560561
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森迫 清貴 京都工芸繊維大学, その他部局等, 副学長 (90127168)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 伝統木造構法 / 崩壊挙動 / 数値解析法 / 材端ばねモデル / 土壁 / ロッキング挙動 |
Research Abstract |
本研究では、土壁を有する伝統木造構法建物の静的および動的崩壊挙動を予測する解析法を開発すること、および伝統木造構法建物の構造計算法である限界耐力計算の評価を行うことを目的とした。研究は、主に次の3つの課題について進めた。(1)これまで研究開発してきた3次元梁-柱有限要素部材に材端ばねを連結する方法では、この種の建物解析が効果的に行いことが判明してきたため、この方法での開発継続を一端見直し、より単純ではあるが大変位を考慮する幾何非線形性は保持することのできる解析法を基礎理論から改めて開発し直すこととし、柱脚が固定されていないことによる柱の回転による傾斜復元力を的確に表現できるモデルによるプログラムを開発した。このため、当初の目的を期間内に達成することにはならなかったが、今後、短期間での開発の目途はたったと言える。(2)伝統木造構法建物の石場立て基礎で考えられる柱脚の浮き、滑り、回転の特性を考察する基礎となるロッキング挙動に関する小型振動台実験を行い、画像解析によるロッキングの変位時刻歴を得ることができた。これによってロッキング現象が生じうる領域などを観察するとともに、数値シミュレーション法の検討を行った。今後、(1)の解析法において、柱脚ばね特性として、早急に導入を図る。(3)昨年度実験を行った飛騨高山土壁を、補修し再度実験を行った。補修後の耐力は、80%以上あることが確認され、以前に行った京土壁の実験と同様、通常の左官職人による補修で70~80%の耐力回復が見込めることが確認できた。履歴モデルの作成は、京土壁と同様に行えることも確認できたので、(1)の解析法に取り入れるために、現在継続して実施している。なお、限界耐力計算の評価については、(1)の解析法が未完成であったため、汎用の棒材解析アプリケーションソフトを用いて検討を実施したが、結論を出すには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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