2011 Fiscal Year Annual Research Report
RC部材及びSRC部材の終局せん断耐力及び崩壊性状に関する研究
Project/Area Number |
22560569
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
内田 保博 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (80168707)
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Keywords | 建築構造・材料 / 鉄筋コンクリート / 鉄骨鉄筋コンクリート / 終局せん断耐力 / ダボ作用 |
Research Abstract |
1.5体の鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)柱試験体のせん断破壊実験を,軸力比,せん断補強筋比をパラメータにして行い,提案している終局せん断耐力式やコンクリート部分の耐力喪失後の崩壊せん断耐力の妥当性について検討した。また,主筋の塑性ヒンジ間距離の仮定値の妥当性についても検討した。これらの結果から,提案した終局せん断耐力式や崩壊せん断耐力式は本研究室による実験値を良好に予測していること,塑性ヒンジ間距離の仮定値は妥当であることが分かった。 2.鉄筋コンクリート柱およびSRC柱の終局せん断耐力に関する他の研究者による実験結果を整理して,前年度に引き続きデータベースを作成し,データ数を増やして終局せん断耐力および崩壊せん断耐力の提案式の精度について調べた。その結果,RC柱の荒川式やトラス・アーチ機構式,SRC柱の学会式や分割アーチ式に比べて本提案式の精度がよいことを確認した。 3.提案式中のコンクリート部分のせん断耐力には,従来荒川式を用いてきたが,今回実験データベースに基づいて,コンクリート部分のせん断耐力の重回帰分析を行い,RC柱およびSRC柱の終局せん断耐力式の提案を行った。この提案式によるせん断耐力とデータベースの実験値との比較を行った結果,重回帰分析によるコンクリートのせん断耐力式の精度は,他のせん断耐力式に比べてよいことが分かった。 4.新しいせん断崩壊メカニズムを提案し,コンクリート,主筋,せん断補強筋,鉄骨のせん断抵抗機構の仮定をしているが,実験結果との比較,せん断亀裂の角度,塑性ヒンジの位置などの検証から,せん断抵抗機構の仮定が概ね正しいことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RC柱,SRC柱の実験は順調に行われ,提案式による終局せん断耐力,崩壊せん断耐力の予測は概ね良好である。実験データベースのデータの数も増え,提案式の精度の検証も順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はRC柱,SRC柱の追加実験を行い,実験データを整理して,終局せん断耐力,崩壊せん断耐力との比較・検討を行う。また,昨年度購入した有限要素解析ソフトによる2次元解析を行い,鉄筋のダボ作用による塑性ヒンジ発生およびせん断崩壊メカニズムの検証を行う。これらの成果をまとめて,論文に発表するとともに,科研の研究成果報告書を作成する予定である。
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Research Products
(8 results)