2010 Fiscal Year Annual Research Report
気象因子を用いた建物外皮の劣化外力用温度推定法に関する実験的研究
Project/Area Number |
22560571
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
渡部 嗣道 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (90314822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨板 崇 九州大学, 大学院・芸術工学研究科, 教授 (90278078)
濱崎 仁 独立行政法人建築研究所, 第4研究部, 主任研究員 (30370703)
井川 憲男 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 特任教授 (80398411)
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Keywords | コンクリート / タイル仕上げ / SAT計 / 日射量 / 気象因子 / 熱収支 |
Research Abstract |
本研究では、コンクリート構造物に張り付けたタイル仕上げを対象事例とし、気象因子と建物外皮の温度との関係を潜熱の影響をも含めた熱収支特性を実験的に求める方法を考案し、既存の気象データから任意に同温度を推定する方法の提案・実用性の検証を目的としている。そのために、タイル仕上げとそれを含む外壁用構造材の暴露実験を実施し、実環境に応じたタイル温度と、日射量や外気温などの気象因子との関係を定式化して、提案された推定方法による推定値の精度評価を行う。本年度では、タイル仕上げ表層部の熱収支を評価するために、「SAT(Sol-air Temperature)計」を参考とした「熱収支計測試験体」を作製した。この試験体は、十分な厚さの断熱材上に仕上げのみを張り付けたものであり、タイル仕上げ表面の相当外気温度を測定しながら、その表面の熱収支特性を気象因子との関係で評価することを目的としている。また、実構造物をモデル化した模擬試験体を作製した。これは、実際の壁を模擬したもので、厚さ10cmで50cm角のコンクリート表面にタイル仕上げを施したもので、タイル仕上げ表面の温度を気象因子とともに長期的に測定し、「熱収支計測試験体」による熱収支特性から、この模擬試験体の温度履歴を非定常熱伝導解析によって推定し、本研究で提案する熱収支予測評価システムの適用性を検証するものである。また、タイル仕上げの熱収支特性は、地域性や季節性を有すると考えられるために、関東と関西の地区として、つくば市と大阪市の2都市についての実験的な検証を行う体制を整え、1カ年以上の期間の継続測定を実施する準備を完了した。
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