2010 Fiscal Year Annual Research Report
非対称鉄骨を内蔵する鉄骨鉄筋コンクリート長柱の耐力評価
Project/Area Number |
22560577
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
柴田 道生 摂南大学, 理工学部, 教授 (40079520)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 学 摂南大学, 理工学部, 教授 (80330356)
|
Keywords | 構造設計 / 鋼構造 / コンクリート構造 |
Research Abstract |
(1) 非対称鉄骨を内蔵するSRC長柱の性状 各々の構成要素の図心が一致しない複合非線形材料部材では,従来の中心圧縮という概念が成立しないので,新たな定義が必要となる。本研究ではこれに替わる概念として「一様ひずみ圧縮」を定義し,一様ひずみ圧縮に対応する接線係数荷重を定義した。このような部材では,ある程度の偏心を与えることによって,接戦係数荷重以上の軸力を負担することができる。 (2) 対称軸を含む面内の強軸曲げ対称偏心圧縮実験 12cm×12cmのコンクリート断面内に組み立てT字形鉄骨T-56×50×6×6,4本の丸鋼主筋9φおよび丸鋼フープ3φ@60を配したSRC長柱試験体で,材長・せい比がL/D=10,20の21体について強軸曲げ偏心圧縮実験を行った。両端での偏心量は,中心圧縮に近い状態,小偏心および大偏心の3種を,正曲げ・負曲げの両方について行った。実験の結果以下の事項が明らかとなった。(1)断面の非対称性により正曲げと負曲げで性状が異なる。(2)一様ひずみ圧縮状態に対する偏心量を等しくとれば,正曲げと負曲げの性状は類似の傾向を示す。 (3) 解析的検証 たわみ曲線を差分近似した1次元連続体の変位増分解析結果は,上記の実験結果と良好な対応を示し,実験手法の妥当性が検証された。 (4) 耐力評価式の導入 研究代表者が提案した2軸対称断面のSRC長柱の耐力評価式について,断面の非対称性を補正した耐力評価式を導いた。提案式は実験結果および数値解析結果と良好な対応を示し,実用的な殻計式として十分な機能を持つ。
|