2011 Fiscal Year Annual Research Report
複合加力を受ける鉄筋コンクリート円筒シェルの耐荷力と崩壊特性
Project/Area Number |
22560580
|
Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
原 隆 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 教授 (50124102)
|
Keywords | 鉄筋コンクリート / シェル / 座屈 / 耐荷力 / 有限要素法 / 終局強度 |
Research Abstract |
本研究では鉄筋コンクリート(R/C)シェルの軸力、曲げ、せん断の荷重の作用のもとでの耐荷力、崩壊等の構造特性を数値解析および実験解析により分析することを目的とする。平成23年度は、軸力と曲げを受けるR/C円筒パネルの耐荷力特性を分析することを目的とし、数値解析においては複合加力による相互作用の影響を考察した。実験解析においては加力システムの有効性と試験体の補強方法を確認した。行った内容は以下のとおりである。1.円筒シェルのトーナメント載荷による荷重分配の検定と加力システムの性能を確認した。その結果、加力点に利用するR/Cシェルの削孔部が作用荷重の大きい場合に挙動に影響を及ぼし、載荷の均一性が損なわれる場合があることが確認できたため、シェル上面からのジャッキによる集中荷重とエアバッグによる分布載荷を検討した。2.R/Cアーチの放射線方向の外圧を作用させるためのフレームを作製し、載荷試験を行った。結果は良好で、フレームを子午線方向に4組展開することによりシェルに分布荷重が得られることを確認した。また、支点部でのシェルの補強が必要となった。分布荷重についてはエアバッグの性能試験を行い、安全に加力できることを確認した。3.以上の結果を考慮して10枚のR/Cシェルを作成した。4.数値解析に関しては、前年度に引き続き補剛されたR/Cシェルの耐荷力特性を分析し、実験結果と比較し、ISEC,ASEM,CONCRETEで公表した。また、装置確認のために実施したR/Cアーチの実験と数値解析の同定について資料をまとめた。5.複合加力時の数値解析の有効性については、文献調査による既存の実験結果を用いて数値解析を行い、ASEM,IASS.建築シンポジウムで公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験で、これまでの実験で問題とならなかった載荷点の処理の不具合が見つかり、シェル端部の補強の必要性が明らかになったため、複合加力試験の結果は得られなかった。しかし、問題点が除かれ、試験体の準備も出来上がった。数値解析は順調であるため、おおむね進行状況は順調であり、当初の目的は達成できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
23年度は試験装置に関してはいくつかの不具合が見つかったが、年度内に解決の見通しが立てられたので、現状では問題点はないと考える。実験ではパラメトリックに分析し、数値計算結果との同定を行い結果をまとめる。
|