2010 Fiscal Year Annual Research Report
住宅における最適な空調制御のための滞在行動計測法開発と環境調整行動の教育的誘導
Project/Area Number |
22560581
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60300513)
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Keywords | 建築環境・設備 / モニタリング / 住環境教育 / 環境調整行動 / ワークショップ / 住宅 |
Research Abstract |
今年度は、滞在行動推定法開発の一環として、主に、人の在・不在とCO_2濃度および相対湿度の変化から住宅における室内の滞在人数を推定する方法について、推定精度に影響を及ぼす要因を明らかにした。推定結果に誤差を生じさせない範囲は、(1)屋外気温が±0.5℃、(2)屋外相対湿度が±1.5%、(3)屋外CO_2濃度が±25ppm、(4)室内気温が±0.2℃、(5)室換気量が±0.0065m^3/s、(6)室内CO_2濃度が±5ppm、(7)相対湿度の経時変化に対する室内物からの放湿量の割合を表す比例定数が±0.02g/s、(8)10分後の室内相対湿度が-0.7~0.4%、(9)呼吸を除く人体から水蒸気について皮膚からの発生量に対する着衣時の放出量の割合を表す比例定数が-0.015~0.004であった。これらを測定精度や推定過程において反映させるためには、統計処理等による誤差の除去が必要と考えられる。 また、環境調整行動に働きかける住環境教育の基礎学習教材として、明るく強い建物デザインを考える教育プログラムの開発を行った。特に、これに用いる紙模型の開口部形状を多様に変化させた場合における模型内部の明るさについて実験的に検討したところ、開口部1枚では位置が中央下の場合に昼光率が最も大きく、開口位置が中央の場合にはその面積が同じであっても分割数が増えると昼光率が減少した。一方、紙模型の強さについて数値計算により検討したところ、開口部1枚では、横方向の位置に関わらず、上位置のときの最大せん断応力(この値が大きいほど模型は弱い)が極端に大きくなり、明るさ(昼光率)と同じ傾向を示した。開口部の分割に対する最大せん断応力おいては、横方向の分割で単調減少、縦方向では単調増加し、格子状分割では8分割のときに最も小さい値となったが、それは、上からの分布荷重を直接受ける梁の太さが、強さの決定要因になっているためと考えられる。
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