2011 Fiscal Year Annual Research Report
地下構造物の非定常熱負荷の線形近似予測手法と熱性能評価指標の開発
Project/Area Number |
22560584
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
永井 久也 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40283402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 博亮 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80293801)
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Keywords | 地下構造物 / 熱水分移動 / 線形近似化 / 非定常熱負荷 / 熱性能評価 |
Research Abstract |
筆者らは、これまで、戸建住宅規模程度の比較的地表面に近い部分の地下空間を対象として、フィールド実験・実測を行い、自然条件下、室内一定温度条件下での地下室およびその周辺地盤の熱・水分性状に関する解析を行って来た。本研究では、これら一連の研究成果を基に、実用的な地下構造物の年間暖冷房熱負荷予測手法の開発を行うと共にこれを用いた地下構造物の熱評価指標の確立が目的である。本年度においては、昨年度から開始した実験地下室における暖房時の室内表面熱流の実測データを用いて、地下室内熱流測定値が非線形熱水分同時移動理論に基づく数値解析結果と比較検討を行った。その結果、実測値と理論数値解析値は、各部位において年間を通して非常に良い一致をすることを確認した。したがって、本理論数値解析法は地下室全体の貫流熱流(=平均熱流)のみならず、その各部位の熱性状をも十分に予測することが可能であることが明らかとなった。また、理論的検討においては、昨年度は非線形熱水分同時理論による地下構造物の非定常熱負荷予測手法は極めて冗長な計算時間を有することから、これについての線形近似手法の検討・開発を行い、コンクリート単層からなる地下構造物の各部位、位置毎の外気温変化に対する線形近似単位応答を作成し、これらを用いた非定常地下構造物熱負荷計算値が非線形正確解を十分な精度で再現することを明らかにした。そこで、本年度は、同モデルを用いて、より一般的な形状の地下室を想定し、一般地下室の各部位、位置毎の外気温変化に対する線形近似単位応答の整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド実験による実測データと理論解析の比較により、モデルの妥当性も確認された。また、この理論解析は極めて冗長な計算時間を有するため、本研究の主目的である、簡易かつ精度の高い線形近似予測法を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、今年度までに提案された線形近似手法を用いて、より現実的な地下構造物の部位別、構造別の外気温変化に対する室内顕熱流の近似単位応答を作成、整理し、その妥当性検証を行う。
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Research Products
(2 results)