2010 Fiscal Year Annual Research Report
建物全体の熱・空気・湿気移動解析手法の検証と熱回収型通気断熱壁体技術への応用
Project/Area Number |
22560593
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Research Institution | Morioka Junior College,Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
本間 義規 公立大学法人岩手県立大学, 盛岡短期大学部・生活科学科・生活科学専攻, 准教授 (90331272)
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Keywords | 湿気 / 熱水分同時移動 / シミュレーション / 実験住宅 / 放射伝熱 / 移流 |
Research Abstract |
本研究は、住宅のゼロエネルギー化を目指した熱回収型通気断熱壁体技術の確立を大きな目標としている。この検討には、壁体内移流を含む建物全体を対象とした熱・空気・湿気移動解析(Whole Building Heat, Air and moisture transfer)が不可欠で、実験住宅を用いて既に開発済みの「換気系と連成した多数室熱水分同時移動解析プログラム」の改良(移流項の組み込み)・検証を行うことが第一の目的である。そして、このプログラムを利用した熱回収型通気断熱壁体のシミュレーション検討および実験住宅を用いた効果検討を並行して行うことを第二の目的としている。 平成22年度は、妥当性検証のために実験住宅での実験・実測調査(各空間温湿度、壁体内温湿度、通気層風速、壁面熱流、暖冷房エネルギー、機械換気量など)を行っており、そのデータ分析を随時実施した。また、研究代表者が開発している『換気系と連成した多数室温湿度解析プログラム(WB-HMプログラム)』の改良を行った。主たる改良は移流項の組み込みであるが、安定性の面で多少の問題点を残している。そのほか、前述した実験住宅での実測結果とシミュレーションとの比較により、長波長放射率の異なる建材(具体的には透湿防水シート)の違いによって壁体内の温湿度分布に生じる違いについて把握し、その結果をソフトウェアに反映させた。具体的には、通気層の放射伝熱計算部分の改良、入射日射の相互反射などである。また、海外のHAMソフトウェアについて調査した。具体的には熱水分移動を扱うもの(Heat and Moisture)と熱・空気・湿気移動を扱うもの(Heat, Air and Moisture)に二分され、そのほとんどが熱と湿気について連成しているものの、厳密な熱湿気同時移動として扱っているものは多くないことがわかった。
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