2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化に対応した地域居住資源マネジメントシステムの開発
Project/Area Number |
22560596
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石坂 公一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40282115)
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Keywords | 人口減少 / 高齢化 / 地域力 / 居住資源 / マネジメントシステム / ミクロデータ / 国勢調査 / データ推計 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施計画に沿って、以下の作業を行った。 1.基礎データの整備:高齢化の進展が著しい東北地方の青森県と宮城県を対象として、1995、2000、2005年国勢調査の都道府県市部、郡部別、区市町村別、町丁目別、基本単位区別の集計結果を用いて、世帯の居住状況を表現する多重クロス表の各セルの値を基本単位区別に推計するシステムを開発し、実際のデータ推計を行うことにより、各年次における町丁目境界の変更に影響されない時系列比較が可能なデータを作成した。また、得られた結果を地図化するシステムを開発した。 2.「居住資源」「地域力」の定式化と計測および変化状況の把握:「居住資源」とその「需要」「供給」の概念および「地域力」について理念的・概念的な検討を行い、これらの概念を計測可能なレベルにまでブレークダウンするための検討を行った。具体的には、都市の居住資源を各地区の利便性、住宅のストック量、社会関係資本としてのコミュニティ活動の活性度、人的資源としての人口の年齢構成等の要素に分解し、それぞれの地区別の資源量を計測する手法を開発するとともにその総合化の方法についても検討し、暫定的ではあるが地域の総合的居住資源計測指標を定式化した。また、特に「地域の介護力」に着目し、現在の人的資源を前提とした場合に、今後、増大する高齢者介護需要を地域がどの程度まで支えられるかについての検討を行った。 3.「居住資源」の効果的なマネジメント手法の開発に向けた既存事例の比較研究:地域に潜在する居住資源を具体的な地域力構成要素として顕在化させるための条件を検討するため、具体的な町丁をケーススタディ地域として抽出し、現実の地域マネジメントシステムの特性およびマネジメントシステムが直面している問題点を居住者データの分析と町内会等の地域マネジメント組織へのヒアリングを通じて把握した。
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Research Products
(3 results)