2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560619
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 紀江 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (10295454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 ゆりか 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20251324)
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Keywords | リロケーション / 高齢期 / 地域活動 / プレイスアタッチメント / 環境行動支援 / 「もの」環境 / 地域コミュニティ / 印象評価 |
Research Abstract |
本研究は、自立して日常を送ることのできる高齢者が居住場所を移した場合、転居後も健康で充実した生活を送るための環境に関して知見を得ることを目的とする。23年度実績を以下に記す。(1)前年度より実施した転居経験のある高齢者を対象としたa.引っ越しともの環境、b.地域内での活動参加、c)プレイス・アタッチメントに関するアンケート調査を完遂し、分析を行った。(データ入力等謝金、PC、統計ソフトなどを計上)「もの」の持ち込みに対する満足感に全住居タイプが影響すること、転居後の満足感には転居後の人的つながりの形成も影響を与えることなどが明らかになった。(2)転居と「もの」に関する検討。(実験は前年度実施)転居後の居室環境に対して置かれる「もの」のもたらす影響について写真を用いた評価実験を試みたものを分析、考察した。第一段階の検討結果は日本建築学会大会で発表した(資料文献、大会参加費等を計上)。さらに行った分析から、日常用いる物品量が清潔感や整理された印象、なじみ深さに影響を与えることが認められた。(3)居住地域のコミュニティとの関係と地域環境の関係についての考察。前年度実施の地域環境やコミュニケーションとの関わりに関する調査について再度分析、考察を加え、人間環境学会大会で発表、意見交換を行った(大会参加費、旅費を計上)。災害時の相互扶助の予測傾向が住人の居住年数に関わらず類似の傾向を見せるなどの結果を得た。この結果に関してはさらなる検証が必要と認め、質問項目の再整理、調査の準備を行った(コピー用紙等を計上)。(4)この他、健康な高齢者を対象とした集合住宅見学、企画者へのインタビュー、関連シンポジウムへの参加等により知見を深め、研究の考察に寄与している。(旅費の計上)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転居と「もの」、地域コミュニティとの関係等については当初の計画以上に進展をみている。一点、震災の影響による勤務校の授業予定の変更から海外事例調査の時間を取ることがかなわなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの分析結果を踏まえた検証調査を行う。ヒアリング調査については協力者を得て実施時期を現在選定中である。アンケート調査に関しても準備は完了し、自治会等を通した実施協力を求める段階である。この結果と、本年度行う成果発表に対する意見を踏まえて研究課題のまとめとする。
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