2012 Fiscal Year Annual Research Report
竹材を構造材とした災害仮設住宅の建設技術開発に関する研究
Project/Area Number |
22560621
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
陶器 浩一 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50363958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 拓生 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (60434297)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 竹構造 / 空間構造 / 応急仮設建築 / 構造デザイン |
Research Abstract |
平成24年度は気仙沼市において建設した「竹の会所」の経年観測を行うと共に、微振動測定による卓越周波数の変遷から竹構造物の1年間に亘る強度・剛性の変化について考察を行った。経年変化としては、経過一年の範囲内においては本建物の振動特性が竹の経年によって特筆して変化している点は認められなかった。さらに長期間に亘る継続的な経過観察が必要である。 また、素材としての構造特性の経年変化を把握するため、伐採時期、養生期間をパラメータとして、丸竹の材料特性試験(引張り・圧縮・曲げ・せん断)を行った。材は滋賀県に生育するマダケとし、強度および剛性と伐採時期、養生期間、含水率との関係について、材料試験により傾向を確認した。伐採時期、養生期間、含水率における材料強度の変化に相関は見られるものの、竹材の個体差による強度のばらつき(変動係数にして20~30%)と比べれば、その変動は小さいという結果(変動係数にして10%以下)が得られた。これについても今後の長期に亘る実験継続が必要である。 また、滋賀県内において生えた竹を主構造材(柱)とした高床竹構造の実際的な建築物の設計・施工を行った。気候も竹の生態も異なる気仙沼市における実大モデルとあわせて、2地域の竹構造の性質の比較を行う上で重要なモデルケースになると考えられる。 本研究の成果として、丸竹の材料特性実験、接合部開発を行い、その経年変化を観察すると共に、竹の特徴を活かした架構の開発及び実施工を行ない、被災地における有効性について検証を行った。実際の建設を通じ、被災地において素人が竹材を使って仮設の建築物を手作業で作ることの可能性が示されたことは、本研究の有効性を示すうえで極めて重要な意義を持つと考える。また、これらの成果は、日本建築学会主催のシンポジウムおよび大会にて発表を行ったほか、多くの建築専門誌、一般紙など、国内外の雑誌、新聞等で紹介されている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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