2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域の資質を生かした水辺空間の構築のための親水デザインのあり方に関する研究
Project/Area Number |
22560627
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
畔柳 昭雄 日本大学, 理工学部, 教授 (90147687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 尚紀 近畿大学, 工学部, 講師 (50441085)
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Keywords | 親水性 / 地域コミュニティ / 水辺空間 / 親水デザイン / 環境用水 / 空間的連続性 / 水辺とのかかわり / 親水空間 |
Research Abstract |
研究の目的:水辺に対する社会的要請が高まる中で、今後の都市再生やまちづくりに活用するための検討が進められてきている。特に親水性を伴う水辺空間の整備や生態環境の形成、地域コミュニティの再生等への寄与について期待が向けられている。そこで、水辺の活用事例を国内外から収集整理することで、水辺とのかかわり方や新たなコミュニティ形成、生態環境のあり方、環境学習の場の形成、水辺が形成する地域空間等について考究してきた結果、地域の資質を生かした水辺空間の構築のための親水デザインのあり方が課題と認識するに至り、水辺については、(1)流路の分類:都市やまちづくりにおける水辺の活用は、対象となる水辺が河川、法定外水路、公共溝渠、運河、農業用溝渠など、多様な水路区分に別けられていることを認識した上で、まちづくり水路(環境用水)としての位置づけを検討する。(2)背後地域との関係:水辺は、背後の地域との空間的連続性や歴史性・文化性とも深く関係している。加えて、人間と水辺とのかかわり方について立場(住民あるいは一般利用者)の理解が要され、人間が水辺と係ることで形成される快適性の享受から規範意識や習慣のあり方、コミュニティの形成過程について把握する。(3)水辺の新たな利用法:水辺の利用は、地方では伝統的に地域に根付き生活用水として活用されている一方、都市では快適性享受の場としての親水空間や環境用水としての利用が多く、両者の間には、水辺の利用面で大きな乖離がある。そこで、伝統的な水辺利用や都市的な水辺利用及び社会実験等の成果の相互比較を行うことで、新たな利用法を見出す。こうしたことから、中国雲南省麗江大研古城における現地調査を(2011年2月)と(2011年3月)を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査計画に則り作業を進めているが、海外の現地調査においては、相手国の状況により、調査日程が若干予定よりも遅延した。また、研究成果についても建築学会へ研究報告を順次行っているが、投稿時期や審査過程の遅延により、若干遅れていたが、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度が最終年となるため、最後の調査とこれまでの成果を踏まえ地域の資質を生かした水辺空間の構築のための親水デザインのあり方について取りまとめを行う予定である。
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