2012 Fiscal Year Annual Research Report
炭素繊維材を用いた伝統的建築物の保存補修法に関する研究
Project/Area Number |
22560645
|
Research Institution | Institute of Technologists |
Principal Investigator |
北條 哲男 ものつくり大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30348346)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 晋一 ものつくり大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20406614)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 炭素繊維 / 耐久性 / 歴史的建造物 / 保存修理 / 環境試験 / 暴露試験 / 漆 / 耐候性 |
Research Abstract |
歴史的建造物の保存修理に関して,これまでは従来からの技術を継承しつつ対応している場合が多いが,従来から用いてきた材料や工法に対し,現在の科学的見地から分析し最新技術を適用することにより,合理的でより耐久性に優れた保存修理法が構築できるものと考えられる.歴史的建造物の構造的劣化や表層の剥離などが増えつつある現状において,炭素繊維をはじめとする先端高機能な材料による補強法や,従来から使用されてきた表面塗装材料の分析や新たな材料の開発は当面する重要な課題となっている.本研究では,先端材料の炭素繊維材と従来材料の漆塗装などを組合せた場合の長期耐候性に関する基礎的な分析・評価を行い,以下の成果を得た. 1.漆塗装された炭素繊維材の長期耐候性について,同じ材料によって塗装された木質材料の表面と比較することにより評価した.試験方法として促進屋外暴露試験(Q-Trac Sunlight Concentrator Testing:ASTM-D90)を用い,短期間に2年半暴露と同等の結果が得られた. 2.試験後の色差⊿Eの変化は両者とも比較的早い時期に始まり,色差の変化の状況もほぼ同様の傾向を示した.色相に関しては,朱色の色差の変化は他の色と比較するとやや小さかった.光沢の変化に関してもほぼ同様の結果となった.これらの結果から,炭素繊維材への漆塗装の表面特性は,木材への漆塗装と大差のないことを明らかにした. 3.本試験結果から判断すると炭素繊維材への漆塗装された炭素繊維材の維持管理や補修法については従来の木材と同様の取り扱いが可能であることが示された.本研究では,保存修理における表面特性に着目した試験結果を報告したが,歴史的建造物に炭素繊維材等の新たな材料を適用する場合,更に木質複合材料としての構造的な長期耐久性に関しても検討を行い,幅広いデータを蓄積することが必要と考えられる.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)