2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本の伝統的木造民家における部材名称の標準化と英語表記に関する研究
Project/Area Number |
22560647
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀江 亨 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (70256832)
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Keywords | 建築史・意匠 / 伝統木造 / 構法 / 民家 / 用語 / 英語 / 日本 / イギリス |
Research Abstract |
1.日本民家の部材等の標準名称とその多様性日本の農家の梁組を対象とし、主要な架構類型と標準名称を仮定義したのち、重要文化財39棟の修理工事報告書に記述された部材の位置と呼称を照合し、架構の異なる位置ごとにどのような部材呼称の差異があるのかを明らかにした。また、間取りの要素および型の標準化し、間取り型と室名の地域的な分布傾向を示した。(11.研究発表〔雑誌論文〕その1,2参照) 2.日本民家部材の英語表記のための検討 川島宙次『滅びゆく民家』の英訳Kawashima(L.E.Riggs):"Minka:Traditional Houses of Rural Japan"を比較し、部材名称の訳語の一義性もしくは多義性の態様を考察した。(11.研究発表〔雑誌論文〕その3参照) 3.海外建物の予備調査と情報収集 2011年3月23日~31日、英国の民家園Weald and Downland Open Air Museum,Avoncroft Museum,Museum of East Anglian life等への出向き、主要な建築類型に関して実測調査を行い、架構と部材名称に関する資料を収集した。 4.包括的な架構類型の設定と、データベースの試作 日英の包括的な断面類型を、前者は重要文化財等の典型事例から、後者はN.WAIcock(1996):"Recording timber framed buildings:an illustrated glossary"をもとにして作成中である。断面による架構の把握は、(1)複雑な部材構成を容易に把握でき、わかりやすいこと、(2)軸部と小屋組の関係や、上屋と下屋の関係など、日英の本質的な架構法の相違が抽出できること、の2点から有効かつ重要な方法である。またAlcock(1996)と、R.W.Brunskil1(1985):"Timber building in Britain"の用語解説を対照したデータベースを作成したうえで、建築用語を空間・構法・部材・接合部などのように分類し、重要度により階層化する作業が進行中である。
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