2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロッキングカーブイメージングによるタンパク質結晶の完全性の評価
Project/Area Number |
22560661
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Research Institution | Yokohama Soei Junior College |
Principal Investigator |
小島 謙一 横浜創英短期大学, 情報学科, 教授 (90046095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若生 啓 横浜創英短期大学, 情報学科, 講師 (40515839)
橘 勝 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (80236546)
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Keywords | 格子欠陥 / 放射光X線トポグラフ / X線回折曲線 / イメイジング / 転位 / タンパク質結晶 / 完全性の評価 / デジタルトポグラフ |
Research Abstract |
平成22年度は主にフィルムによるX線トポグラフ像の観察と高分解X線イメージャVHRを用いて放射光施設(高エネルギー物理学研究機構のフォトンファクトリー(PF))で局所観察用X線CCDカメラシステム一式によるロッキングカーブ解析の精密化の実験とその解析をおこなった。 X線トポグラフの実験はKEKPF-BL15B(つくば)放射光トポグラフの装置をもちいて、単色放射光トポグラフによりタンパク質結晶の単斜晶リゾチウム結晶中の格子欠陥の観察をフィルム法によって行った。その結果、単斜晶は正方晶、斜方晶リゾチウム結晶とはことなり、曲線状の転位と直線状の転位の両方が観察された。曲線状の転位は結晶成長の後に導入されたすべり転位であると結論づけた。この結果はJ.of Crystal Growthに発表した。 また、CCDカメラシステム一式によるピクセル毎のロッキングカーブ解析を行い、そのピークの半値幅、ピークの角度位置、ピークの最大強度をイメージング(画像化)するシステムの開発を行った。本年度購入した並列用ワークステーションにより、解析システムプログラムの開発を行い、それにより、結晶全体にわたり、半値幅、角度位置、最大強度を画像化することに成功した。これにより、結晶全体の完全性の評価が定量的に行える道が開けた。この結果は横浜創英短期大学紀要に速報として発表し、詳しい内容については英文化して、専門誌に投稿している。また、以上の成果は国際会議に於いて2件と国内学会に於いて2件報告した。
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