2011 Fiscal Year Annual Research Report
ロッキングカーブイメージングによるタンパク質結晶の完全性の評価
Project/Area Number |
22560661
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Research Institution | Yokohama Soei Junior College |
Principal Investigator |
小島 謙一 横浜創英短期大学, 情報学科, 教授 (90046095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若生 啓 横浜創英短期大学, 情報学科, 講師 (40515839)
橘 勝 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (80236546)
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Keywords | 格子欠陥 / 放射光トポグラフ / 転位 / X線回折曲線 / イメージング / タンパク質結晶 / デジタルトポグラフ / 完全性の評価 |
Research Abstract |
平成23年度は主にフィルムによるX線トポグラフ像の観察と高分解X線イメージャVHRを用いて放射光施設(高エネルギー物理学研究機構フォトンファクトリー(KEKPF))で局所観察用X線CCDカメラシステムー式によるロッキングカーブ解析を行い、ロッキングカーブのピーク位置、その半値幅と強度の結晶全体のマッピングを行い、ロッキングカーブイメージングを行った。成果は二つあり、一つはX線トポグラフの実験はKEKPF-BL15B(つくば)放射光トポグラフの装置をもちいて、単色放射光トポグラフにより正方晶リゾチウム結晶中の転位の観察をアナログ像(フィルム法)とCCDカメラシステムによって得られたデジタル像を比較し、デジタル像でも転位の観察を行ったことである。二つ目は、CCDカメラシステム一式によるピクセル毎のロッキングカーブ解析を行い、そのピークの半値幅、ピークの角度位置、ピークの最大強度をイメージング(画像化)するシステムを確立した。 さらに、本科研費で今年度並列計算機(HPCシステムズHPC5000-XS216TS-S)を購入し、計算量の効率化を図った。その結果、より膨大な画像データに対しての解析が可能になった。また、プログラムを改良することによって、これまで解析していたピークの最大強度、角度位置、半値幅に加えて、10分の1幅の画像化や、半値幅などの10分の1幅の平均値の計算:も行えるようになった。 これらの結果の一部は日本結晶学会誌の特集号に取り上げられ総合報告書として発表した。また、原著論文としては、J.Crystal Growth誌に発表し、現在、イメージグに関してはJ.Appl.Crystalに投稿している。学会聚表は国際会議に於いて1件と国内学会に於いて3件報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1)デジタルトポグラフで転位像が観察されたこと。これは次年度に観察する予定であった。 (2)また科研費によって購入した計算機により10分の1幅の画像化や、半値幅などの10分の1幅の平均値の計算などが今年度できたこと。これも次年度に観察する予定であった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)放射光トポグラフでアナログ的なフィルム法とデジタルCCD法によって転位の観察が可能になったので、転位に関するデジタルデータを用いて転位近傍の半値幅、ピーク位置などを定量的に解析したい。 (2)ブラッグピークから転位のピークを分離するプログラムを開発して、ピーク分離を行う。 (3)ピークの半値幅、角度位置、最大強度をイメージング(画像化)するシステムを確立したので、これと従来タンパク質結晶で行われている、ウイルソンプロットによる結晶の完全性の評価とを比較し、この方法の物理的な意味を再検討する。
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